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補助金をばら撒くよりも心の復興を

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今日の言葉

二宮翁夜話より引用

63)心田開発
弘化元年八月 (実は四月)、その筋から、日光神領の荒地起し返しを申しつける見込であるから、取り調べて仕法書を差し出すようにと、翁に命ぜられた。そこで著者の兄大沢勇助が江戸に出て、お祝いを翁に申しのべた。著者も同行していた。すると翁はいわれた。私の本願は、人々の心の田の荒蕪を開拓して、天から授かった善い種、すなわち仁義札智というものを培養して、この善種を収穫して、又まき返しまき返して、国家に善種をまきひろめることにあるのだ。ところが今度の命令は土地の荒蕪の開拓なのだから、私の本願にたがうことはそなたも承知のはずではないか。それなのに遠くから来て、この命令があったのを祝うとは何ごとだ。それも、本意にそむいた命令ではあるが、命令とあっては余儀ないことで、及ばずながら私どももお手伝いいたしましょうと、こう言うなら喜びもしよう。さもなければ私は喜ばない。そもそもわが道は、人々の心の荒蕪をひらくのを本意とする。一人の心の荒蕪が開けたならば、土地の荒蕪は何万町歩あろうと心配することはないからだ。そなたの 村(相川金目村片岡、現在平塚市の内)のごときは、そなたの兄(大沢小才太) 一人の心の開拓ができただけで、一村がすみやかに一新したではないか。大学に、「明徳を明らかにするにあり、民を親たにするにあり、至善に止まるにあり。」とある。明徳を明らかにするとは心の開拓をいうのだ。そなたの兄の明徳が少しばかり明らかになったら、すぐに一村の人民が新たになった。「徳の流行する、置郵(駅伝)して命を伝うるより速かなり」(赤子、公孫上高)とはこのことだ。国へ帰ったならば、早く至善にとどまる法を立てて、父祖の恩に報いるがよい。これが、そなたの専一に努めるべきことだ。(五九)
【引用 二宮翁夜話(上) 福住正兄:原著 佐々井典比古:訳注】

補助金をばら撒くよりも心の復興を

小田原藩主の大久保忠信から、桜町領の復興を命じられた二宮金次郎。

彼はその時、補助金の停止を求め、「補助金は村人の心を惑わすだけ。必要なのは村人の荒れた心の復興だ」と大久保忠信に伝えました。

その後、二宮金次郎は桜町領の年貢を下げ、村人の意欲を引き出しながら心を整え、10年後に桜町領を復興させました。

現在の日本では補助金がばら撒かれています。

そして、私たちもどう補助金を得るかばかりを考えてしまいます。

一方、国会議員は裏金の話で盛り上がり、国策の話は進まない。私たちの社会では詐欺・騙しが横行し、楽にお金を得ることばかりを求めてしまいます。

このままでは、未来の日本は、桜町領のように人間の心が荒れた状態になるのではないでしょうか。

二宮金次郎は「荒れ地は荒れ地の力で開闢(かいびゃく)する」とも説いています。

荒れた地は、荒れた地の力で復興する。その復興に必要なのは人道の考え方です。

このような考えを持った人が国のリーダーになれば、何かが変わるかもしれませんね。

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