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利益や効率化よりも徳があるかどうか

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今日の言葉

二宮翁夜話より引用

15)わが身に徳を積む 翁のことばに、若い者は、毎日よく勤めはげむがよい。それは、わが身に徳を積むことなのだ。なまけ怠るのを得だと思っていたら、大きな間違いだ。徳をつめば、天から恵みのあることは目に見えている。いま、雇い人をたとえにすれば、あの男はよく働いてまじめだから、来年はおれの家に頼もう、といわれたり、よく勤めたら婿にもらおう、といわれるようになるものだ。反対になまけ者だったら、ことしは取り決めたからしかたがない、来年は断ろう、というようになるのは眼前のことだ。だから才知の乏しい者でも、よく気をつけ、

よく反省して、身に過ちのないようにせねばならぬ。過ちはわが身のきずになるのだ。古語に、「身体髪膚これを父母に受く。あえて毀傷せざるは孝の始めなり」とある。ひとは、過ちをすれば身のきずになることを知らないで、けがさえしなければよいと思っているが、それは間違いだ。過ちは身のきずになるばかりでなくて、父母兄弟の顔まで汚すものなのだ。慎まずにいられようか。

【引用 二宮翁夜話(上) 福住正兄:原著 佐々井典比古:訳注】

利益や効率化よりも徳があるかどうか

最近、コスパ(コスト・パフォーマンス)・タイパ(タイム・パフォーマンス)という言葉をよく耳にします。

少ないエネルギーで、効率的に最大の効果を得たいという気持ちが背景にあると思います。

確かに、そういう考え方も必要だと思います。

しかし、効率ばかりを追い求めてしまうと、何のためにそれをしているのかを見失い、自分自身に何も身につかないことがあります。

二宮金次郎は「よく勤めることが徳を積むこと」と「徳を積むことで、それは回り回って自分に返ってくる」と説いています。

時間や効率ばかりを考えて、社会や他人や自分に徳があることかどうかを問わないような勤めをすると、平気で人を騙してお金を得ようとすることでしょう。

しかし、簡単に手に入れたものは、簡単に失うのが自然界の摂理です。

面倒でも、自分に与えられた勤めをしながら徳を積むことで、それは自分の心の成長につながります。

心が成長すれば、成長した分だけ人にも優しくなれます。

人に優しくなれれば、それも徳につながります。

企業として利益を上げることも重要ですが、目先の効率化や利益よりも、それが社会や他人や自分に徳があるかどうかが、物事の判断基準となれば、社会は少し良くなると思います。

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