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今日の言葉
菜根譚より引用
前段85)逆境に処しても みすぼらしい家でも庭をきれいに掃除し、また貧しい女でも髪をゆっていれば、外見は美しいとはいえないが、気品が具わって風雅な趣がある。それで、男子たるものは、万一困窮零落の境遇に陥ったとしても、どうして直ぐさま自暴自棄になってよかろうか。更に自重して身を保つべきである
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
心まで貧困化させてはならない
日本では貧困層が増加しているといわれています。しかし、「貧困」とは何を指すのでしょうか。
日本における「貧困」は、主に収入格差によって定義されています。具体的には、「貧困層」は等価可処分所得または等価世帯収入が全世帯の中央値の半分未満の世帯を指します。2022年(令和4年)の国民生活基礎調査の概況によると、2021年の貧困層の所得は127万円でした。
しかし、社会的な定義が「収入差」だとしても、自分自身を「貧困」と考えないほうが良いでしょう。「自分は貧困だ」と思い込むと、心まで貧しくなってしまうからです。
心が貧しくなれば、部屋も身だしなみも荒れ、身も心も貧しくなり、やがてすべてを失ってしまいます。確かに127万円の所得では生活は厳しく、状況によっては働けない人もいるでしょう。
ただし、現在の日本は人材不足で、仕事を選ばなければ収入を得る手段はあるはずです。たとえ収入が少なくても、身の回りのことをしっかりと行い、今の自分にできそうな仕事をし、心の健康を保てば、心まで貧しくなることはないでしょう。
本当の貧困とは、心の貧しさから始まるものなのです。
菜根譚前段「逆境に処しても」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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