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甘からず辛からず

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今日の言葉

菜根譚より引用

前段84)甘からず辛からず
清廉潔白であって、しかも人の意見を入れる広くおおらかな度量があり、慈悲の心が厚くて、しかも決断力に富んでおり、賢明であって、しかも人の点を厳しく探ることをせず、正直であって、しかも世間ばなれした態度をとらない。これがすなわち度を越さないというもので、たとえば、蜜の入った食物でも甘過ぎることがなく、海産物でも塩から過ぎないようなもので、それでこそ過不及のない中庸を得た美徳といえる。すなわち、そのような徳を具えてこそ立派な理想的人物といえる。 中庸の道については、既に前集四一において解説したが、この中国の伝統的な中正の道をここで再び強調している。

【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

甘からず辛からず

物事は、甘からず辛からずバランス良く中庸がちょうどいいと思う。

しかし、甘さも辛さも知らない中庸には意味がない。中庸とは、何も考えないことではなく、右も左も上も下も理解した上で中間に位置することだ。

上下左右に振れた経験がないのに中庸だというのは、ある意味、何も知らないのと同じだ。つまり、本当の理解ができていないということだ。

何も知らずに中庸にいる人と、すべてを経験した上で中庸でいられる人とでは、人間性が大きく異なる。

甘さも辛さも知っているからこそ、ちょうどいい味を味わえるのだ。人生も同じことが言えるだろう。

菜根譚前段「甘からず辛からず」を読んで、そう感じました。

オススメの本

※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。

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