日本の税収と消費税

 去年から消費税が8%から10%に引き上げられた。それで経済が低迷するとの予想から種々の措置が取られているが、それも長期的には効果が薄いように思われる。

 平成に入って20%くらいの上下があるが、国の税収総額はあまり変わっていない。消費税が引き上げられたのに何故だろうか。

 それは法人税が少なくなったからだ。昭和時代には会社が支払う税金の総額の率は利益に対して65%くらいもあって、会社に取っては相当の負担だった。

 だが税金を支払うくらいの額は銀行が融資をしてくれた。だから会社は税金の支払いで資金繰りが困窮するという事態にはならなかったのだ。

 ところが政府は法人税率が高いと国際競争に負けるとの考えから、法人税の率は相当下げられ、その分は消費税増税で賄うようになった。

 これが不思議なところだ。今東証一部に上場している会社でも利益が高い会社では3%くらい株式配当がある。

 もし運営資金を銀行からの借り入れで賄えば利息はどのくらいだろうか。優良な会社とそうでない会社では違いがあるだろうが、優良な会社は1%からそれ未満で銀行からの借り入れは可能ではないか。

 配当が3%、借入利息が1%。どちらが会社に取ってメリットが大きいだろうか。今銀行は貸出先がなくて困っているという。

 そうであれば会社が運営資金を銀行から借りて配当をもっと抑えれば良いのではないだろうか。

 海外からの投資がなければ競争力が落ちるとは思えない。投資がなくても銀行から資金を調達すれは良いはずだ。

 今の現象は株主に厚過ぎるように思えてならない。これでは株主、すなわち富めるものがますます富み、貧富の差が大きくなるだろう。

 さらに法人税が高ければ人件費を抑えると理論を政府は述べるが、これも違う。そんな高い法人税を支払うくらいなら、ボーナスとして社員に還元する方がよっぽどましだと、心ある経営者はせっせと社員にボーナスを支払った。

 そして資金が足りなくなれば銀行から資金を導入する。これで回っていた。それが法人税率を下げ、消費税率を上げて辻褄を合わせた。

 ここには政府の隠された事情あるいは自己都合があるのではないか。あるいはアメリカから圧力があったのか。

 もし消費税を5%程度に下げ、その分を法人税として徴収するとすれば日本経済はどうなるであろうか。

 トヨタ辺りの無借金経営の会社は反対するだろう。だから政府はそのような会社の意向を無視できないという事情があるのかも知れない。

 法人税を支払って資金が必要なら、いくらでも銀行から借入ができるだろう。そうすると沈みゆく銀行の経営も持ち直すことができるし、大勢的には何の問題もないはずだ。

 我々は政府を信用していない。政府を運営しているのが誰かは知らないけれど官僚が多くの部分を担っているに違いない。

 彼らは今回の新型肺炎に対する対応も拙いし、遅すぎる。法律の本当の意義を理解していない。

 緊急事態においては法律をある程度超えた対応をすることが可能であるし、できるだけ早期の対応が望まれる。

 それができない。そんな官僚に何が分かると言うのか。会社は会社の経営者が一番知っている。それも中小企業では猶更だ。

 それに日本の税制は複雑過ぎて、抜け穴が沢山ある。その抜け穴を見つけて節税できるのは大会社である。

 もっと税金について考えなければならないのに、対策は講じられていない。評論家や有識者という無識者の意見では適切な対応は無理だろう。

酒巻 修平

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