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修行とは求めない心を育てること

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今日の言葉

二宮翁夜話より引用

わが道の修行の入口 翁のことばに、着物は寒さをしのぎ、食事は飢えをしのぐだけで十分なものだ。そのほかはみんな無用のことだ。宿服は地位の上下を分かつ目印だし、男女の色々な衣服は装飾だけのことだ。婦女子の紅白粉と異なるものではない。紅白粉がなくても、婦人でさえあれば、結婚にさしつかえがない。飢えをしのぐための食物、寒さをしのぐだけの衣類は、知愚・賢 不肖を分かたず、学者でも無学者でも、悟っても迷っても、離れることはできぬものだ。こ れを作り備える道こそ、人道の大もと、政道の根本だ。私の歌に、「飯と汁木綿着物は身を助くその余は我をせむるのみなり」とよんであるが、これがわが道の研修の入口なのだ。よくよく徹底せねばならぬ。私は若年のときから、食事は飢えをしのぎ、着物は寒さをしのげば十分だとして、ただこの覚悟一つで今日までやってきた。わが道を修行し、施行しようと思う者は、まずこの道理をよく悟らねばならぬ。
【引用 二宮翁夜話(上) 福住正兄:原著 佐々井典比古:訳注】

修行とは求めない心を育てること

人間の欲は増大するものです。

二宮金次郎が活躍した江戸時代の人々と比べると、現代の私たちは様々な物が揃っており、快適で豊かな生活を送っています。飢え死にする心配はありません。

しかし、なぜ現代人は幸福感を感じにくいのでしょうか。

恐らく、人間は求める物事が増えるほど不幸になり、身近なものに気づくことで豊かさを感じることができると思います。

もちろん、江戸時代の生活に戻る必要はありません。

しかし、今の豊かな生活に気づき、満足する心を育てることが重要です。

そうでなければ、人間の欲は無限に増え続け、最終的には争いにつながるかもしれません。

これからの時代には、もっともっとと求める心ではなく、今あるものに気づき感謝する心が必要だと思います。

そのためには、求めない心を育てることが重要だと思います。

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