社会改革-賞味期限

我々年代の人間が若いころ、今のような電気冷蔵庫はなく、食べ物は中に氷を入れた木のボックスの中に保存するのが常だった。氷冷庫と言うべき余り当てにならない代物を頼りにしていたものだ。

 だから夏などは食べ物が腐りやすい。今のように一週間分の食料品を買いだめして保存する芸当は到底できなかったものだ。ではどうするか。この氷冷庫も少しは役に立つ。1日くらいは大丈夫だった気がするが、何しろ当てにならない。

 お釈迦様が亡くなった原因は食中毒だと聞いたことがある。私は熱心な仏教徒ではないので、詳しく調べたことがないが、これは本当らしい。村の娘が差し出した食品を腐っているのを承知で食べたとされるが、これには疑問があるが。

 世界中で食中毒が原因で死亡している人は大勢いるような気がする。腐っているのが分かっているのに、餓死するよりは益しだとつい食べてしまうのだろうが、痛ましい。

 それに付けても腐ったものを食べる動物やもっと下等の生物の胃はどうなっているのだろうか。そこに食中毒に罹った人を治療する薬を開発するヒントはないのだろうか。

 さて賞味期限のことだが、この制度がいつ始まったか覚えていない。いつの間にか気が付いたらこの制度が始まっていた。これはしかし分からない制度である。賞味とは何ぞや。それは食べても食中毒を起こさない期限ではなさそうだ。

 賞味期限とは賞味する期限だと字からすると読める。賞味とは美味しいと感じることだとすると、賞味期限が切れた食品も食べられるのか。答えは「イエス」である。フランス産チーズに「エポワス」という高級なものがある。

 私の大好物だが、100g2000円もしてちょっとやそっとでは手が出ない。1年に1度か2度。毎月の小遣いが余った時に買うくらいだ。でも買うこつがある。

 これが面白い。賞味期限が過ぎたものの方が美味しいのだ。賞味期限とは舌が美味しいと感じる期限の筈だが、このチーズに限ってはそんな言葉は当てにならない。他にもこんな食品がある筈だが、私は知らない。

 エポワスは賞味期限が過ぎた方が美味しいのに、店ではもう売れない。売ると罰則があるのか、法令違反かは知らないが、法律をあまり知らない店の人は後難を恐れて売ろうとしない。

 ここが目つけどころ。嫌がる店を何とか説得して買う。値段は大体半額くらい。これだと私の手にも届く。このチーズは高いので店には1つくらいしかないし、あまり売れないので、置いたある店も少ない。

 そんな曖昧な賞味期限だが、我が家でも賞味期限を過ぎた食品を食べるなと言われる。ところが私はそんなことに頓着しない。賞味期限というか食可能な期限の測り方と知っているのだ。

 それは鼻。子供のころの氷冷庫の時代に鍛えられた鼻で匂いを嗅ぐ。食べられないものは独特の異臭があって鼻は食べるなと教えてくれるので、それを頼りにしている。

 大体賞味期限はどのように設定されているかご存じだろうか。食品によって違うようだが、正確なことは私も知らない。多分、厚生省(厚生労働省と改称しているようだが)が恣意的に設定したものだろうから、私は信じない。

 問題はここからで、賞味期限内では絶対に腐らないようにするため、大量の防腐剤を入れると思われる。これは人体に影響がないのか。防腐剤の成分を知らないから何とも言えないが、防腐剤は人工物。体に良い訳がない。

 大して研究もしない役人がこんな制度を持ち込む。考え方は納得できるが、実際の施行の方法に問題があると言わざるを得ない。賞味期限が極端に短い自然食品を称するものがあるが、これは高すぎて手が出ない。

 制度を作り、使った制度に縛られて社会を悪化させる。本当の事実は役所が設定したことでは図ることができないのだ。ではどうする。世論として理不尽な制度に声を上げて反対の意を表するしか今のところ方法はない。

酒巻 修平

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