経営講座 -事務ー

 会社が劇場だとすると事務は舞台で営業はその上で行う演技だと言えます。演技者がいくら上手でも舞台や劇場がないと演技できません。ですから営業をする人は営業がなければ会社はやっていけないと言いますが、これは言い過ぎです。

 事務の目的の一つは行った作業を後の参照のためのものであるので、これがなければ例えば売上の請求もできません。もし営業マンが横暴に営業優位論を展開するなら事務のない会社を想像してみれば分かると思います。税務申告もできないし、会社の体裁が整いません。だから謙虚に事務の重要性を認めるべきです。

 事務の中心は書類の作成です。今はコンピューターが発達しているので、エクセルとワードがあれば早く、綺麗に書類が作れます。だから事務員には如何にコンピューターを使いこなせるかが問われます。因みに私はパワーポイントで作成された計画書など信用しません。そんな空虚な技術を身に付けるよりもっとやることがある筈です。

 エクセルで作られた書類で綺麗にできているものは少ないようです。フォントの大きさを考慮していなかったり、一行の間隔が適当でなかったりします。でもエクセルで作る書類の出来不出来は第一に罫線の処理です。

 ほどんどの書類では全ての罫線が実線で、とても見にくいので、重要でない罫線はもっと細いhairlineという罫線にしましょう。こうすると書類が格段に見易くなります。

 書類には必ず存在しなければならない項目があります。それは

1. 書類のタイトル

2. 日付

3. 内容

4. 作成者の名前

1. 書類のタイトルが必要なのは論を待ちません。タイトルは大きいフォントで内容を示すものでなければなりません。

2. 日付が入っていないと後々困ることが多いのは誰もが経験して分かっていると思います。月と日にちだけではなく、必ず年号も記入しておきます

3. 内容が勿論一番重要ですが、これについては留意しなければならない点がいくつかあります。後述します。

4. 作成者の名前は書類を作成したというだけではなく、書類が示す業務の責任者が誰かを表しています。めくら判を押すと後で自分に責任が掛かって来た時に困ることになります。

内容について、書類は追加の説明なくて書類を見れば言いたいことの全てが理解できるようなものでなくてはなりません。市町村が発行する書類はこれがなっていません。だから説明を求めるために電話をします。そうするとこちらと説明する市町村の担当者の時間が取られます。これは経費増につながるし、内容が分らないまま放置されるケースも多いようです。国が発行する書類はまだましですが、完全とは言えません。書類の原本を作成する担当者に考えがないためでしょう。その点裁判所が発行する書類は完璧だと思います。ですから裁判所の仕事は信頼できます。

 何かの業務を依頼されたり、気がついたことなどはメモを取る習慣を付けなければなりません。面倒ですが、メモがあるとあとあと仕事が早くできます。最初に手間を掛けておくと、仕事全体では作業に必要な時間が短くなります。

 メモは手紙の封筒の裏などに残しては駄目です。今は紙の値段が一枚50銭以下ですので、白紙を使えばいいでしょう。そうでなければメモなのか元からあるものなのか一瞬戸惑って面倒です。メモにもできれば作成年月日を書いておく方が良いでしょう。

 事務は断続的であってはなりません。継続的であるべきで、性格が断続的な人は事務作業には向いていません。断続的な人は研究者や営業マン向きだと思います。一つの作業の記録をするのが事務の仕事ですから、きちんと毎回作業をやらなければ後で困ったことになります。

 営業マンには事務作業が不得意な人が多いようです。ですからそんな営業マンができるだけ煩わしくないような事務の様式を用意しておく必要があります。営業マンであっても事務作業を回避することは不可能です。

 事務員はファイリング作業をしなければなりません。このファイリングの作業が上手な人は事務作業全体が上手だと見て差支えがないでしょう。自分では良いと思っても他の人が見て分からないようなファイリングは頂けません。事務は自分のためだけではなく、主として他の人のために行うものです。

 他社からきた書類がきっちり整っているかどうかはその他社が優秀かどうかを判断するもとになります。優秀でない会社との取引にはいつも注意が必要で、それには余計な時間を取られます。あまり書類が酷い会社とはできれば取引を止めたいものです。こんな会社はいつも迷惑を掛けます。

酒巻 修平

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