経営講座 -人事ー その2

小さい会社では経費を掛けてその人を調査することは不可能です。それに調査をしても出て来ない項目があります。先ず保証人を二人用意してもらいます。一人は身内でいいので、あと一人は身内以外、友達でも良いでしょう。

 一度こういうことがありました。優秀そうな人なので、採用しようと決断して、内定を決定するとその人も就職したいとと受諾しました。それで保証人を二人用意して欲しいと二通の私製の保証書の用紙を手渡し、入社日までに提出してもらうことになりました。

 保証書の様式などどんなものでも構いません。法令様式で売っているもので充分です。2通の保証書を作成してもらってくれと要求するのは行き過ぎの感があります。

 しかしそれでいいのです。あまり安易に入社を許してしまうと会社を軽くみて採用試験(面接だけでも試験です)に合格した喜びが応募者には半減します。会社はその人が保証書を作成して提出するのを待っていました。

 その後その人からは何の連絡もなく、日が過ぎて行きました。当然その人は不採用です。でも不可解です。理由を考えてみました。初めての経験だったのですが、出て来た答えは誰一人保証人になってくれる人はいないということです。

 たかだか保証人になるくらいの友達は誰にでもいます。それがいないというのは友達を騙して不義理をしている。あるいは最初から友達がいない。それにしても中途採用なので、知人くらいはいる筈です。その人たちからも何の信頼も得ていないということでしょう。

 それに採用を受諾する気持ちが変わったのなら、それも連絡すべきです。そんな連絡もしないようではまともな社会人とは言えません。仕事も碌にできないと考えられます。連絡は仕事をしていく上で最も重要な要素です。

 もう一つもらう書類があります。それは健康に関するもので、大会社では入社が内定した人には必ず健康診断をしてもらいます。専属の医師がいて、その人が仕事をまともにできる体力があるかの判定はここでします。

 しかし中小企業(年商で200億円くらいまで)では専属の医師を持つことができません。費用対効果がバランスしません。そこで入社が内定した人に頼んで任意のところで健康診断をしてもらうのです。

 ここで問題はもし任意のところで健康診断をしてもらうと、医師がその人のことを慮って入社に支障がない旨の診断書を発行したりします。例えば障害や思い疾病がある場合です。

 障害のある人は職種によっては雇用することはいいでしょうが、病気の人は駄目です。気の毒ですが、救済するのは政府やその他自治体の仕事で、会社の責任ではありません。

 ではどうするか。肝臓、腎臓、心臓、肺などもし思い疾患があったら、仕事に差支えが出る場合を想定して、レントゲン撮影、血液検査をしてもらいます。この費用は当然会社持ちです。一時立て替えてもらうのですが、この程度の費用が立て替えられないのもまた不合格です。血液検査は第三者機関が行いますので、真実はここで分かります。勿論軽い体の不具合は誰にでもあります。そんな人を排除するのが目的ではありません。

 こんな事例が友達の会社でありました。その人は入社前から腎臓に重篤な疾患があったと想定されます。会社では軽い残業があり、それが6か月ほど続いたのです。毎日8時くらいまで残業したので、月間60時間程度です。

 その後その人は腎透析をしなければならないほど腎臓が悪くなりました。そこで辞めて欲しいと会社が頼むとその人は過重な残業で健康を損ねた。それは会社の責任なので、自分を解雇することはできない。そう反論したのです。

 高々月60時間ほどの残業で腎臓透析しなければならないほど健康を害することにはなりません。それも6か月ほどです。最初から腎臓に疾患があったと考えざるを得ません。

 その会社では弁護士、労働基準監督署、その他に相談をしましたが、どうしてもその人を解雇する方法が見つかりません。転勤もさせることができず、それから3年、その人は営業でしたが、軽い事務の仕事をしながら会社から給料をもらっています。それにその人だけ昇給をストップするのも不可能です。

 その人は会社の寄生虫になってしまって、会社はその人が定年になるまで採用し続けなければならないようになりました。

以下次項

酒巻 修平

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