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今日の言葉
菜根譚より引用
前段24)清は汚物から生ず
腐った土から生ずる幼虫は、大変きたないものではあるが、これが変化して蝉となり、木の上で露を吸って秋風に鳴いている。腐った草には光はないが、これが変化して螢となり、夏の月夜に光を放って飛んでいる。これによって見ても、清浄なものは、いつも汚物の中から生れ出で、光明はいつも暗やみの中から生れ出ることが知られる。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
潔癖だから弱くなる
以前、潔癖症のお母さんがいました。
このお母さんは健康に強いこだわりがあり、子供たちに無農薬野菜や日本海、九州で獲れた魚など安全な食べ物を与え、子供が触れるものを常に除菌していました。
しかし、お母さんが健康と安全に気を配っているにもかかわらず、子供たちはよく風邪をひいていいました。
最近のテレビCMでは、除菌や菌を無くすことが良いイメージで伝えられていますが、本当にそうなのでしょうか。
私個人としては、汚い菌が存在しても健康でいられることが理想だと考えます。
そのためには菌に対する耐性を持つことが重要で、ある程度の「汚い」菌にも触れる機会を持つことが大切だと思います。
最近の子供たちは、泥遊びや砂遊びをする機会が減っていると聞きます。
子供たちは自然の中で遊ぶことで、自然界の菌に対する耐性を身につけていたのではないでしょうか。
この句は、汚れたものから光や清らかなものが生まれると説いていますが、私たちの健康も同様に、自然界のある程度の汚い菌との接触から育まれていくものもあると感じます。
菜根譚前段「清は汚物から生ず 」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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