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高尚な人になるために

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今日の言葉

菜根譚より引用

前段4)潔白な人と高尚な人
権力・名利・富貴・豪奢などは、ややもすると、人を堕落させ易いから、これに近寄らないのが潔白な人である。しかし、これに近寄っても、染まらないのは最も潔白な人といえる。 なお、権謀術数は、人を欺いて己を利するもので恥とする処であるから、これを知らないのは高尚な人である。しかし、これを知っていても、使わないのは最も高尚な人といえる。【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

高尚な人になるために

潔白とは「心やおこないが正しいこと。後ろめたいところがないこと」です。

高尚とは「知性や品性の程度が高いこと。気高くて、立派なこと」を指します。

潔白な人とは、心が素直で行いが正しい人のことです。

高尚な人とは、知性が高く立派な人のことを言います。

菜根譚では、権力・名利・富貴・豪奢などは人を堕落させやすいため、それを理解して近づかない人を潔白な人とし、理解せずに近づいても染まらない人を最も潔白な人としています。

また、権力・名利・富貴・豪奢の中で己の利のために策を弄さない人を高尚な人とし、策を弄せば己の利が確約されているにもかかわらず、それを行わない人を最も高尚な人としています。

つまり、最も立派な人とは、すべての状況を理解したうえで、欲にまみれず自分らしくいられる人のことを指すのです。

これは人間の真理だと思います。

ただ楽観的に笑っている人と、悲しみも苦しみも理解したうえで笑える人の笑顔には、どこか違いがあります。

同様に、ただ「ガンバロー」と励ます人と、様々な努力を積み重ねて「頑張ろう」と励ます人では、同じ言葉でも、どこか言葉の重みが異なります。

すべてを理解したうえで、自分らしくいられることが高尚な人の特徴だと思います。

そういう人間性を目指したいものです。

菜根譚前段4「潔白な人と高尚な人」を読んで、このように感じました。

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※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。

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