自閉症と才能

 九州のある陶器製造の窯元に自閉症の人が

いると兄から聞いたのはもう何十年も前の

ことだった。

 兄はもう亡くなったが陶器の販売を業として

いて、私にその窯で作られた酒器を買ったら

どうかと勧めた。

 当時私はぐい吞みを集めていたので、これも

何かの縁かと思って1セット買い求めた。

 結構な額を払うとっくりとぐい吞みが送ら

れてきた。

 ぐい吞みには白鷺が片足を上げて立っている

姿が描かれている。

 それがとても優美で、他の窯も同じような

図柄のものがあるのだが、それとは全く芸術

性が違う。

 そのぐい吞みで酒を飲むと兄を思い出すので

あるが、それよりその白鷺を描いた人が自閉症

を持っていると聞かされていたのに驚く。

 同じようなことであるが、北海道土産として

良く目にするのが、熊の置き物だ。

 熊が鮭を咥えているポーズを掘った置物だが、

この出来がとても良い。

 その彫り手は熊だけでは駄目だが、鮭を咥えて

いる構図になると力量を発するらしい。

 まだある。これはテレビで見たのだが、ある

女性はそのとき20歳だと紹介されていたのだが、

その人も自閉症だとのこと。

 ところがその人が大書した揮毫は一幅1000万円

と大変な値がついている。2,3万円なら私も欲しい

ところだが、とても手が出ない。

 その人は書を書くのが3度の食事より好きだと

言い、とても幸せそうだった。

 そう言えばアインシュタインはお金で買い物が

できなかったと言い伝えられている。

 これらの天才は我々と違って、脳の働きのどこ

かに欠陥があるが故に天才なのではないかと思って

いる。

 天才のことを研究した人は沢山いるが、天才は

どうして生まれ出るのか、まだ解明されては

いない。

 自閉症やアスペルガー症候群など広汎性発達障害

は病気と捉えるのが主流であるが、そんな病気を

持った人は一種の天才ではないかと考えると、その

人への対処の仕方も違ってくるのではないだろうか。

 私の知っている子供も軽い自閉症だ。その子供は

英語の試験などではいつも10点以下の点数しか

取れないのに、何かの拍子に95点とか取ってしまう。

 数学もそうだ。勉強は全くしない。授業も聞かない。

しかしそんな高得点を取る。どうしてそうなるのかは

分からないが、とても興味のある現象だ。

酒巻 修平

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