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見えない首輪

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

346)狼と肥えた犬
よく肥えた犬が狼に出会った。どこで育てられて、そんなに脂肪たっぷりの大きな犬になったのか、と穿鑿されて、「気前のいい主人が食べさせてくれるのさ」と答えた。 「首の周りが白くなっているのは、どうしてだい」「鉄の首輪で肉が擦れた。飼主が鍛冶屋に作らせて、俺にはめたんだ」これを聞いて、狼は大笑いして言うには、「俺ならそんな贅沢はまっぴらだ。鉄で首を擦られるような贅沢はね」【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

見えない首輪

近年、多額の金銭を稼ぎ贅沢な生活を送ることが、成功者のステータスシンボルとなっているようです。

正当な手段で稼ぐのであれば問題ありませんが、人を欺いて得た富は、見えない首輪に繋がれたような状態を生み出します。

例えば、詐欺グループに加わって金を稼いだとしても、自分より上位の者に逆らうことはできなくなるでしょう。

上層部の指示が犯罪行為であっても、自分の収入を失うリスクと天秤にかけられ、結局は犯罪に手を染めてしまうのです。

この「見えない首輪」は詐欺グループに限らず、社会のあらゆる場所に存在しています。

贅沢な暮らしはできないかもしれませんが、この見えない首輪に繋がれない、自由な生き方を選択することは可能です。

寓話の犬のように首輪に繋がれた人生を送るか、それとも狼のように自由な人生を歩むか—その選択は私たち自身に委ねられているのです。

イソップ寓話集の「狼と肥えた犬」を読んで、こんなことを感じました。

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