3社連合 合議制

 日産自動車、ルノー、三菱自動車の3社の代表がゴーン氏に権限が集中した体勢を改めて、合議制で経営指針を策定するという決定をしたと新聞が伝えた。

 この体制は終結時期が決められているとは報道されていないが、果たして計画通りにことが運ぶであろうか。元々権限争いが3社にあってそれの収集が付かなかった結果としてこのようにしようとするならそれはそれで分かる。

 しかしそれは暫定的でなければならないだろう。カルロス・ゴーン氏に権限が集中していたということは一面会社の運営に対して良い状態ではなかったと考えるのは違うと思う。ただ最高権力者が能力だけではなく、良好な人柄を持たなければその組織及びその組織に関わる人は不幸になる。そこが問題にされた。

 ゴーン氏は大量のリストラをやった。リストラされた人はその後の生活に支障が起こるので、再就職先を見つけるか、独立するか、収入を得る道は平坦ではない。それなのにゴーン氏だけは莫大な給料を会社から得ており、人としてあるべき道徳を弁えていなかった。

これが理由で反乱を起こされたのであるが、

このような例は三越のかつての独裁者岡田茂氏に起こった現象を彷彿とさせる。ゴーン氏も岡田氏も収入だけでなく、会社に取って違法なことをやったので、刑法罪に問われたのだ。莫大な収入を得たり、全てを自分だけで決める人は会社に対して法律違反をしている可能性が高い。二人は正にそうであった。

話しを元に戻すと、3社連合の経営を合議性で行うというのは暫定的であれば良いが、そうでなければ瓦解するだろう。それは歴史を見れば良く分かる。

ローマの三頭政治も結局は失敗し、権力争いから帝政に意向してしまった。旧ソ連のベルストロイカも目的通り機能せず、ソ連瓦解の下地を作った。

ある意見が良くても他の2人が反対すればその意見は通らず、当たり障りのない決定がなされて、連合がだんだんと競争相手との競合に勝てなくなるだろう。もしかしたらこの3社合議制を採用することにより3社連合が形をなさなるなるのではないだろうか。

日産の株式を持っている人は売る時期を見計らって、手放す準備をした方が良い。

3社連合の誰が代表になるかは連合の浮沈に直接関わるとは思えないので、これは単なる権力闘争の結果が出なかったと見るべきだと思う。

 人は歴史という偉大な財産を持っているに関わらず、この検証に重きを置かない。合議制で会社を運営したり、政治を行ったりして上手くいった例はないのにどうしてそこに学ばないのだろうか。

 江戸期の田沼意次が引き起こした過熱経済を改めるため、は極端な緊縮財政政策取った。自信の能力を過信したのだろうが、この政策により不景気になり、江戸の町の灯は消え、町民は塗炭の苦しみを味わった。当時流行った落首には「白河の水野清きに住みかねて、昔の田沼今は恋しき」とあり、田沼政治を歓迎した様が写されている。

すなわち極端な積極財政も緊縮財政も社会に害をなすものだという歴史の教訓があるのに、それに学ぶことなく、1991年からのバブルを緊縮財政で破壊した。そしてその後日本は不毛の2,30年を経験した。

歴史は大学受験のためにあるのではなく、実際の社会に生かすものである。上記の3社合議性も歴史を見れば各所に失敗が散見できるのに、またやろうとしている。3社の長たちは自社のことだけを考え、連合の不利益になることをやろうとしているのだ。

3社の長は能力があるのだろう。その中で連合のトップに関しては、3人か、4人の中でもっとも人格の高い人を選ぶべきだ。トップの人が回りあるいは部下の意見を徴収して最終決定をなせば良い。

日本国も現在は安倍晋三氏がトップで回りの人の意見を聞いていたと思う。そして安倍氏は国のために良く働き、国は栄えた。人柄の好き嫌いは別として株価が7000円台だったのを20000円以上にしたし、外交も巧みだ。

彼には3本の矢という考えがあり、1,2本目は政策で決まるが、3本目の実態経済はそうはいかなかった。彼は日本の技術力を過信し、規制緩和を推し進めて輸出を増やそうとした。

輸出は他国の経済に打撃を与える。もう一国だけで物を考える時代は過ぎ去ったので、輸出すると輸入する相手国の産業が育成されないし、既存の産業に打撃を与える。そういう意味では安倍氏の人柄は日本に取っては良いかもしれないが、他国に取っては良いとは言えない。

これからの世界経済は今まで歴史に出て来た局面を脱し、新しい考察を必要としている。これは日本人の不得意とするところだ。規制緩和が最終的にどのような帰結を迎えるか、考えれば答えは簡単だが、日本国のことだけを考えてはもう世界が立ち行かなくなるだろう。ヨーロッパの技術力が弱い国ではそれがもう始まっている。

酒巻 修平

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