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今日の言葉
イソップ寓話より引用
207)羊飼と海
羊飼が海辺で放牧をしていたが、海が凪いで穏やかなのを見て、航海がしたくなった。そこで羊を売り払い、棗椰子(なつめやし)を買いこんで船に積みこむと、船出した。ところが激しい嵐が起こり、船は転覆して、すべてを失って命からがら陸地に泳ぎ着いた。 再び海が凪いだ時のこと、浜辺で海の静かなのを賛美している男を見て、羊飼が言うには、 「いやいや、海のやつ、棗椰子を欲しがっているのさ」このように、賢い人にとっては災難が教訓となることが多い。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
災難から何を学ぶのか
この寓話は、災難から教訓を得ることの重要性を教えています。
人生では、様々な災難や試練に遭遇します。
これらの経験から何を学べるかによって、その後の人生が大きく変わる可能性があります。
しかし、誤った教訓を得たり、本質的なことを学び取れていないと、同じような失敗を繰り返してしまうことがあります。
羊飼いの「いやいや、海のやつ、棗椰子を欲しがっているのさ」という言葉から、彼が船の転覆から学んだことは「海は棗椰子が欲しくて船を転覆させた」という誤った教訓でした。
しかし、本当の教訓は、羊飼いの航海に関する知識と経験が不足していたことにあります。
もし羊飼いが本質から学んでいれば、次回は知識と経験を積んでから航海に挑むでしょう。
しかし、「海は棗椰子が欲しかったから」という表面的な理解しかない場合、今度は別の荷物を積めば大丈夫だと誤解するかもしれません。
このように、災難に遭遇したとき、その本質から学ぶことが極めて重要だと感じました。
イソップ寓話集 の「羊飼と海」を読んで、そんなことを感じました。
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