破産者マップ

 誰かが過去の破産者の住所を図示する地図を作った。その地図を拡大してゆくと破産者の住所が特定してしまい、結果名前まで分かってしまうのだ。

 これは人権上の問題を発生させ、破産者に生活上などで多大な迷惑が掛かると非難されて、そのマップを制作者が消去して一件落着となった。

 しかしながら、このマップは独自に調査を行った結果を踏まえて作ったものではなく、法務省が発表したものを元にしている。

 もしこんなデータが大量に出回ると破産者に多大な不利益をもたらすものなら、どうして法務省はそんなデータを誰もが見ることができるような方法で発表しているのだろうか。

 そもそも破産者はそんなに保護されるべき人たちであろうか。破産者は主として債務超過である人が裁判所に申請して破産が許されるのだ。

 債務超過というのは会社では買掛金や借入などの負債が現金や売掛金などの資産を上回ることから発生するし、個人では借金が銀行預金や持っている不動産の価値を上回る時に発生する。

 逆側から見れば、その破産者にお金を貸したり、売った商品の代金を支払って貰えなくなる人や会社があるのだ。

 ではそのような人は保護されないのか。確かに破産者にも立ち直る機会を与えるということではあるべき制度かもしれないし、貸金をした人物が反社会勢力であったりする時は大いに役立つ制度だ。

 ただ破産しても反社会勢力の人は暴力的な手段を講じてでも貸した金を取り戻すだろう。

 結局本当の意味で破産者に被害を掛けられるのは善良な会社や人である。ところが破産する人物や会社は制度があるので破産をし、借りた金を楽々と返済の督促を逃れられる。

 このことで連鎖的に倒産した会社もあるし、多大な損害を被った人も多い。私もある人物に100万円くらいの金を貸した1週間後に破産をされたことがある。

 これでは一種の詐欺で、詐欺事件を警察はまず捜査をしない。証拠を手に入れるのが困難だし、捜査が難しい。それに社会的な影響が少ないと考えているのだろうか。

 破産の結果お金を貸した人が被害者になり、加害者はお金を借りた人である。

もし立ち直ることができるのなら、立ち直って借りたお金を返すのがまっとうな人のやることではないのか。

 私の知人は銀行に1億円以上の返済が不能な借入金があり、その後立ち直って元利合計を10<年以上掛って返済した人がいる。

 聞くところ米国の第16代大統領のリンカーンは友達と運営した会社が倒産し、大きな借金を背負ってしまったが、15<年ほど掛けて全額返済したと言われている。

 このように立ち直る努力もしないあるいは立ち直っても借金を返済しない人、即ち加害者をどうして法は過剰保護するのだろうか。単に債務超過だからといってどうして借金を返済しなくてはならない法律を作るのか。

 金を貸した反社会勢力は借りた人物と話し合い、借りた人物の知人で金を持っている人から金を貸させ、借りた金を取り挙げることもする。するとまた被害者が出て、これが彼らの資金源になることもある。

 こんなことでいいのだろうか。個々の破産事案では状況を考慮して、例えば立ち直りの機会を5年ほど設け、借りた金を返済できるチャンスを与えるとか、被害者も保護すべきではないのか。

 この国は過保護の国だ。刑法事件を起こした人物の人権を守るという目的のために刑が確定しても顔が出て来ないということもある。

 破産も刑法事件もその裏には被害者がいるのに、どうして被害者は保護されないのか。表面的な事情や状況を考慮し過ぎて、法律しかしらない馬鹿な裁判官と政治家がこんな馬鹿らしい破産法などを作って運用している。

 政治家は一旦選ばれると国民の要望を無視することができる。次の選挙で勝たなければならないことは勘案するだろうが、相当目立つ議員以外は民意などを簡単に無視してしまう。

 どうも見ていると社会はだんだん悪くなっているように思えてならない。自己がやったことの責任は自己がとらなければならないのに、そんな当たり前なことさえしなくても良いような法律を作ることも原因の一つだ。

 その責任を回避させる法律を作って、どんな事案であっても破産させるなど国家がやるべきとは思えない。

 もし相手が反社会勢力であったり、止むを得ない事情がなければ別だが、それ以外には本人に立ち直る機会を与えて、借金を返済させる方法を考えたらどうだろう。

 国家を立法、行政、司法で動かす人物たちのレベルが低すぎる。

酒巻 修平

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