ドナルド トランプという男
「帝国アメリカの真の支配者は誰か」という本を買ったことがあったが、読まずにそのまま放置してあった。読まない理由は内容がある程度推察され、推察したことが詳細に述べられているだけだと想像したからである。
ただそんな本があったなとは記憶していたが、昨日「トランプは最近の米大統領としては金融資本に操られず大統領になった唯一の人物である」としている評論を読んだ。
トランプは何回か破産してその都度立ち上がったのは流石だと言えるし、アメリカでなくてはこういうことができないと感心していた。日本では一度破産すると10年ほどは企業を立ち上げるにも資金が作れないという状況がある。
そんなトランプが破産から立ち上がって大きな資産を形成して、大統領選挙でも自己資金を主として後は寄付で選挙戦を戦って勝利した。
それに対してクリントン候補はバックになった金融資本に票を誤魔化させて選挙では接戦になったが、本来は大敗であったとの記述もあった。問題になったメールには見るに堪えない不正が縷々記載されているとも言う。
これについての事実関係は調べる手段を持たないが、もしそれが本当ならアメリカでは民主主義が破壊されているということだ。金融資本は更に資産を増すために北朝鮮、ベトナム、イラクなどで戦争をさせたらしい。
そう言えばイラクをアメリカが攻撃した理由は大量破壊兵器を所有し、それを使用する可能性があることだったが、後で調べてみるとそんなものどころか化学兵器も見つけることができなかった。ブッシュは戦争屋の手先であったのだと今ごろ気が付いた。
トランプは元政治家ではなく、ビジネスマンである。私もビジネスの世界に長くいたから、彼の考える方向は理解できるように思える。
彼は戦争をしないとの評論もある。そう言えば今まで戦争の気配がない。これは期待しても良いのかと思う。彼は北朝鮮の政策に立腹したが、攻撃をする気配はない。
彼はビルや都市の建設がビジネスである。それに比較して戦争をする政治家は言ってみれば解体家だ。解体はその後に建物を建てるために解体するのであるが、仕事としては物を作るのとは反対の作業だ。
ここにトランプが今までの政治家と違う点があるのではないだろうか。建設と破壊。どちらを選ぶのかと問われると建設と答えざるを得ない。
北朝鮮の肩は持ちたくないが、彼らはアメリカのクリントン元大統領に攻撃すると脅かされ、核武装を速めたと解釈できる。
もしアメリカの裏の支配者がトランプをコントロールできないとすれば、それが正当な国のあるべき姿ではないか。国民は衆愚であるだろうが、それでも自由選挙法という国民に承認されている法律がある限り、その選挙で選ばれた大統領が国民に支持される自己の考えで政治を行うべきだ。
マスメディアも金融資本にコントロールされていると言われる。だから金融資本を排斥しようとしているトランプを悪しざまに罵るのだろう。こんな裏事情があるなら、トランプを見る目が変ってくる。
日本のメガバンク3行の株式の25%はアメリカの金融資本が保有しているらしい。すると日本の政治もアメリカの金融資本に牛耳られているのだろうか。
だが銀行はこれから不必要な存在になるだろう。これは自分でも実感できることだ。そうなると世界情勢は大きく変化するだろう。それが令和の時代であるような気がする。
いずれにしても少数人物、団体が世界の富の大部分を保有するという社会は弊害が多すぎる。社会は彼らの物ではない。全ての人民の物であろう。
何の理解、納得できる原因もなく殺人が行われる社会はおかしい。アメリカの銃乱射事件、日本の無差別殺人。そんな事件は今の歪な社会構造の悪の落とし子ではないだろうか。
だんだんと幸せという感覚が薄くなってくる。大声で笑う人が少ない。規制緩和の名の下で富が偏在する。男女同権という美名に踊らされて女性に負担が多くなり、子育てに専念できない。
政治とは何なのだ。政治家が国民のことを本当に考えているのか。観察すると大半の政治家は定見を持たず、自己の利益のためだけに動く。彼らの考えていることは次の選挙でどうすれば当選できるのかだけかもしれない。そのようなことが分かるに付け、国民はもっと賢くならなければならないと思う。
酒巻 修平