北朝鮮状況

 金や地位、他の財産を持っているものはそれを失くすことを怖れる。何の財産もない人は裕福な人と違って失くすものがない。ここに極貧の人が大きな事績を残す原因がある。

 北朝鮮の金正恩は富、地位、女の全てを持っている。いや国の全てが自分のものだ。だからこれを失くす恐怖には耐え難い。更に地位を失くすことが、独裁者については命がなくなることを意味する。

 人の欲望や性格は個々人で違うが、平均値は統計的に明白だ。歴史を見ると人の行動パターンは決まっていて、賢く幸せに暮らすには独裁者にはならない。独裁者は常に命の危険に晒されているからだ。

 独裁者はまた国のことなど考えはしない。国が仮に滅びても自分が安全で、富を独占できればそれで良い。ここに独裁者の哀れさが存在する。

北朝鮮は原爆保有国である。原爆を持っていると攻撃されても反撃できるし、攻撃してくる相手国にも大きく取返しが付かないようなダメージを与えることができると錯覚している。

だがない。北朝鮮すなわち金正恩は原爆を使用しない。空威張りするために時々ミサイルまがいのものを打ち上げて、自国あるいは自分の力を誇示しているだけだ。もし原爆をどこかに使えば、それは自国の滅亡と自分の死を意味する。

アメリカがその気になれば北朝鮮は1週間で跡形もなくなる。アメリカは原爆保有国に対する攻撃はどうあるべきか絶えず研究して、結論を出している。

すなわち反撃できないようにする作戦は立っているのだ。最近は原爆もインフラもコンピューターに頼り過ぎている。コンピューターを稼働させるには電力が必要だ。その電力の元を絶たれれば原爆を稼働させることができない。

金はあるいはそんなことは知っているかも知れない。だが、それを防御する手段がない。あるいはコンピューターの弱点であるウイルス対策はアメリカからのハッキングに堪えられない。

だがアメリカは実は北朝鮮には興味がない。遠隔地であるし、小国だ。持っているものと言えば原爆だけだ。幼稚園で遊ぶ園児を遊ばせる保育士の役目をすれば良いのだ。それには時間や労力は掛からない。

トランプが北朝鮮と表面上争わない、しかし、許さないという断固たる態度を持ち続けるには訳がある。

こんな小国をある程度遊ばせてやるのはやはり原爆の威力とも言えるが、狙いは中国だ。アメリカは悪戯坊主の北朝鮮にはあまり時間を取らないで、中国に注力したい。

中国壊滅作戦はある程度進展している。アメリカは自国の国力、現在の経済状態を把握し、中国と比較している。結果中国と経済戦争をすれば勝てると踏んだ。

それが関税の掛け合いだ。その作戦に習近平はまんまと乗ってしまった。関税をアメリカが中国からの輸入品に掛けるのは中国の経済に大きなダメージを与えるためだ。

これは輸出入の均衡保つためだとか、知的所有権の保護だと言っているが、本当の狙いはそこではない。これらはほんの序章に過ぎない。アメリカは中国の政治体制、すなわち独裁主義を排して、民主主義という名の国家に中国を変化させたいのだ。

オバマはTTPという機構を策定して中国を包囲しようとしたが、これではアメリカも損をする。だから商売人であるトランプは違う手を打ってきたのだ。

中国の国力はアメリカの1/5で、人民は戦争には反対だろう。勝てると思っていないからだ。実際中国はアメリカには勝てない。資金力、軍事力、軍人の士気、何を取っても勝ち目などない。

日本はアメリカと戦争をしたが、アメリカも必死だったと思う。日本の軍人の士気は高いし、航空機もアメリカのものより優秀だった。今でもアメリカは日本を潜在的に脅威だと考えている。

中国は放置すると将来的には脅威になる可能性があるが、今はまだそんな力はない。力がないうちに叩こうとう腹だ。

やがて中国はかつてのソ連のようになるだろう。それがアメリカの狙いだ。中国の場合は幾つかのブロックに分け、それぞれが民主主義国家になるのが、アメリカの最終目的である。

その戦いは始まっている。いつ終結するかをアメリカはもう計算しているだろう。トランプの反対勢力もトランプ以上に反中国だ。次回の大統領選挙で民主党が勝とうが共和党が勝とうが中国分割作戦は続く。

アメリカに取って本当の脅威は日本である。憲法が改正され、軍備を拡大させ、飛行機を真剣に作り始めると対等とまではいかなくても、競争相手くらいにはなる。だから日本とは友好関係を結びたいのだ。

中国にはそんな力がない。アメリカに取って友好関係を結ぶメリットはないと考えているのではないだろうか。

北朝鮮は道に落ちた単なる石にしかならない。遠回りするか蹴っ飛ばすか、今は忙しいから遠回りをしている。北朝鮮は小さな石だから通行の妨害にもならない。

酒巻 修平

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