日本の飛行機製造

 第二次世界大戦でアメリカ軍の戦闘機グラマンと戦ったゼロ戦は非常に優秀な飛行機だった。敗戦で7年間日本は飛行機の製造を禁止されていて、飛行機の種類はプロペラからジェットに代わっていた。

 その間技術者の退職や技術の進歩に追いつけず最近までは日本の飛行機製造は欧米の後塵を排していた。だが飛行機の全体ではなく、エンジン部や機体の一部などを下請けすることから始め、少しずつ技術は向上していった。

 もともと日本は西欧的な物の発明には優れていなかった。これは明治維新で初めて西洋の文物に接し、そこが西洋文明の始まりだったからだ。同時に日本古来の物のほとんどを捨ててしまったのは惜しかった。

 世界的に見ても大きい物の発明はコンピューターが最後で、最近は如何に良い物を作るか、すなわち工学的な観点が重視されるようになった。

 この点は明治維新でも日本のは工作技術を捨てなかったと思う。だから日本の物作りの技術は極めて長い歴史を持つし、物作りに対する思想も極めて高い。

 自動車、電車、機械、飛行機、家電、織物、などは全て欧米の発明に依拠するが、製造にはまた別の観点がある。いくら発明的アイデアがあっても、製造技術が拙いと高性能で安価なものはできない。

 この点日本の製造技術は世界に抜きん出ていて、他国の追随を許さないほどである。自動車、電車、機械、家電など重工業製品は日本の物が一番良い。だから今後もこれらの分野で独走するだろう。

 電気自動車や自動運転車は最新の技術を要する自動車の新しい形である。ここにおいても日本の技術は必ず他を圧倒すると思える。

 さて飛行機製造技術は現在欧米には全体的に劣っているが、日本がそのレベルに追いつくのはそう遠い話しではないだろう。

 現に客用飛行機の製造はホンダも始めたし、最新型ステルス戦闘機F35につ付いては三菱重工が製作したテスト機はアメリカの物より20%も性能が上である。

 この20%というのは極めて大きな差である。時速1000kmで飛ぶアメリカのF35に対して1200kmで飛べるということだ。あるいは燃料消費量が20%少なくて済むということは航行持続距離が5000kmのところを6000kmに伸ばすことができる。

 日米安保条約により日本は軍用機の製造を制限されているが、アメリカも日本の技術が欲しい。だから共同開発などの仕組みを構築して日本の製造技術を戦闘機に組み込もうとしている。

 アメリカは中国と覇権争いをしている。勝敗は明らかだが、アメリカに取って本当の脅威は中国ではない。それは日本なのだ。発明の才こそないが、工学技術においてはアメリカを凌ぐ。

 日本の軍隊が如何に勇敢で優秀であったのか、戦った国は知っているが、本当に恐怖を感じたのはアメリカだ。日本が唯一負けたのはアメリカだけだが、これは物量にも関係がある。一定のルールで戦えば必ず日本が勝利するのは、アメリカでの演習でも証明されている。

 今から30年後になると世界の空は日本製の飛行機で半分は埋め尽くされるのではないだろうか。

 もちろん経済的な課題もあるだろう。だがもう既に欧米とは飛行機製造競争は始まっている。YS11というのは営業的な観点で製造が中止されたが、いまだに空を飛んでいるとても優秀な飛行機なのだ。

 種々の制約の関係でこの機種はプロペラ機だがそれでも世界のどのプロペラ機より優秀なのだ。

 安倍首相はこんなことを考慮に入れて「規制緩和」を喧伝しているかどうかは知らないが、規制緩和をすれば日本が力を入れる分野の物の販売はほぼ日本が独占するだろう。安い中国製や韓国製もあるが、トラブル続出しているのは周知の事実である。

 飛行機の次は宇宙開発である。そこにも日本は力を注いでいる。宇宙開発を最初にやり始めたのはアメリカとソ連であったが、それは過去のことになり、関連特許も切れてしまった。

 だが日本は奢ることなく、各国に援助の手を伸ばし、尊敬される国にならなくてはならない。安倍晋三氏が目論んでいることは戦前の日本の力を取り戻すことなのだ。

酒巻 修平

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