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自分が置かれている環境を理解しておく

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

121)竪琴(たてごと)弾き歌手 下手くそな竪琴弾きの歌手がいつも漆喰塗りの家で歌っていたが、声がよく反響するので、自分がなかなかの美声だと思うようになった。そして自惚が昂じ、劇場に出演しなければならぬと決心したが、舞台に上がってみると、その歌は箸にも棒にもかからず、石を投げつけて追い出された。 このように弁論家の場合でも、学校では一廉の者と思われていても、政治の場に出ると、無に等しいことが分かる人がいるものだ。

【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

自分が置かれている環境を理解しておく

竪琴弾きは、声がよく反響するという理由だけで自分は美声だと思い込み、その思い込みだけで劇場に出たため、自分の無能に気づけなかった。

きっと、この男の周りには「漆喰で反響しているだけで、美声でもなんでもない」と指摘してくれる人がいなかったのでしょう。

この寓話は、私たちの周りでもよく見られます。

周りの人から賞賛されたとき、自分はできる人間だと思い込んでしまう。

また、周りの人もとりあえず「賞賛」はしてくれる。

しかし、人からの「賞賛」と「自分はできる」という思い込みだけで異なる環境にやってきたとき、実際にはまったく無能だったということはよくある話です。

竪琴弾きの美声が生まれたのは、漆喰の部屋という環境があったからです。

同様に、「できる人」も、たまたまその人が「できる」環境にいただけで、オールマイティな人ではなかったのです。

人は、自分が置かれている環境によって能力が変わるものです。

自分の能力を過信しそうなとき、まず今の置かれている環境を理解し、その環境によって能力が発揮されているのか、それとも本当に自分自身の力から能力が発揮されているのかを確認することが重要です。

環境に依存して能力が発揮されているならば、その環境を外した状態で、自分の能力を少しずつ試していくことが大事だと感じます。

イソップ寓話集の「竪琴弾きの歌手」を読んで、そんなことを感じました。

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