種々のアプリの欠点

 種々のアプリというかほとんど全てのアプリには欠点がある。それはアプリを使うのに沢山のことを覚えなければならないということである。

 銀行のATMを使ったことがない人は少ないだろう。ATMの前に立つとアプリが自動的に立ち上がり、銀行によっては「取引開始」と表示されているが、これは簡単に理解できる。

 それからは「預金」「引き出し」「残高照会」「通帳記入」などが画面に現れ、人が自然に持っているあるいは簡単な経験を踏まえれば操作は簡単に進行していく。

 だが例えばアマゾンで物を売ろうとすれば操作をするのに覚えなければならないことが極めて多い。少しそのアプリを使わなければ操作方法も忘れてしまう。

 どうしてそうなっているのだろうか。銀行のATMはコンピューターの使用に習熟していない人も使用できるようにアプリのプログラムが組んであるのだろう。

 ATMではそれができるのにどうしてアマゾンではできないのか。答えは簡単。プログラマーあるいは企画を担当した人にそんな意識がないのだ。

 これからますますコンピューターの使用が増え、そして複雑化していくと思われる。その時に自分が使う全てのアプリの使用方法を覚えなければならないとすれば、使えるアプリは限定的になるではないか。

 知人の会社で5000万円もの費用を掛けてシステムを構築してもらった。知人は多分そのシステムは使えないで放置されると考えていた。

 実は知人は私が経営する会社に勤めていた。会社では事務処理用のプログラムというかシステムを私自身が構築していて、ユーザーが使いやすいように綿密に配慮した。

 そのシステムは5分か10分の試験使用で誰でも使用が可能だった。その時その社員は、私ができるだけ使い易いように少しずつ構築したのを知っていて、会社を変わった時にプログラマーがやっていることを見て、多分構築されたシステムは使えないだろうと前以て判断できたと言う。

 ある程度大きなシステムだと3種類の仕事をする人が必要だ。何をしたいか、それをどう活用するのかをユーザーに聞き、企画をする人。その企画に基づいて大勢のプログラマーの仕事を割り振るシステムエンジニア、そして最後にプログラマーである。

 会社の事務処理をするにはある程度経営の知識を持っていなければならない。そこに第一の関門がある。何故なら会社側の企画を担当する人は経営に携わっていないからだ。会社が本当に欲しい情報を把握していない。

 システムエンジニアはシステムの使い易さを決定する重要な人物である。例えば全角と半角を自動的に変換してくれる考えが入っていない。だからユーザーは質問に答えるのに全角、半角の切り替えを毎回やらなくてはならない。

 私が作るシステムではほとんど全て(例えば顧客名など以外)の質問(ユーザーに入力してもらう箇所)に対して考えられる全てのことを別表にしておき、その表の中から必要な事項を選んでもらうようにしてあった。項目の左に番号を振りその番号を入力すればその項目が選択できる。番号はテンキーで入力できるので、ユーザーはほとんどテンキーだけ済ますことができる。

 その前にユーザーがやりたい作業もリストにしておき、その作業を選べば自動的にシステムが立ち上がるというものだ。このようにしてユーザーを誘導していくとほんの短時間の試運転でユーザーはシステムを使える。

 そこではユーザーが覚えなければならないことはほんの少々だ。これくらいならそんなに頭を使わなくてもすむ。だいたい銀行のATMを使うのと変わらない。

 どうしてアプリはそう難しくしているのだろうか。例えばエクセルでウイルスが入ったとする。その時はコンピューターをウイルスが入る前の状態に戻せば良いだけだ。ところがそれが単純ではない。まずウイルス除去という言葉がどこにも出て来ない。

 マイクロソフトは我儘で強欲な会社だから、自分のことで精一杯だ。必要もないグレードアップと称する変化を何年かに一度行い、コンピューターを買わせるような会社だからシステムはユーザーが使用し易いようにはなっていない。

 だからコンピューターの使用に習熟した人が素人ではできないことをやる。そしてもちろんそれには料金が掛かる。どうしてそんなアプリが氾濫するのだろうか。人が生れつきあるいは学校で勉強した程度の知識、知能でアプリを使いこなせないのだろうか。

 実はプログラマーもコードの書き方を覚えることで仕事をしている。私は相当な高齢だが、プログラムを組むのなど簡単だ。コードの書き方を全て覚えるのでは40歳くらいまでしかプログラマーをやれないが、少し思考をしていけばコードは簡単に書けるようになっているのを普通のプログラマーは知らない。

 優秀なプログラマーは少ない。これからもっとコンピューターの使用頻度が高くなる。それに対応するにはアプリの開発には誰でも使えるという命題が必要になってくる。

酒巻 修平

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