トランプの最も重大な仕事

 今トランプはアメリカ大統領として、中国と経済戦争をし、イラン問題を片付けなければならない。一般人には何と苦労の多いことだと思うだろうし、自分がアメリカ大統領になれたとしてもやりたくないと考えている人がほとんどであろう。

 だが彼に取ってはそういう仕事をするのが生きがいで、自分の存在を有意義に感じていると思う。それに両問題は自国の勝利に終わると計算をいている。

 だが自分の任期中に片が付かない問題には頭が痛い。それは何であろうか。一つには日本との関係である。日本とは現在極めて友好的な関係にあるのに何故だろうか。

 日本は世界一の技術大国である。そしてその潜在能力は極めて高い。もう大発明がなくなった世界で日本には不得意分野は少ない。日本はこれから宇宙関連に事業にも進出してくるであろうし、飛行機製造はすでに始まっている。

 あるいは憲法を改正して軍備を真剣に始めたら、今以上に驚異的な武器を製造すると思われる。アメリカはこれらの製品の大きな輸出国である。だがその座はいずれ日本に奪われる。

 車のケースを見てみよう。アメリカはこの点では先進国であった。トヨタが初めてアメリカに輸出をするときにノンストップのフリーウェイを走り、エンストを起こした。それでほぼ契約が決まっていた輸出が駄目になった。1964,5年のころである。

 それから日本は車の性能を改良し、ついに技術面で勝てるメーカーはいなくなった。アメリカの車は性能や燃費が悪く、日本で大量に売ることを諦めてしまった。それまで関税の引き下げを要求して、成し遂げるが、それでも日本人はアメリカ車より日本製を選んだ。

 すると今度は非関税障壁などというあらぬ要求を持ち出し、国力にものを言わせて何とか車の輸出をしていた。だが時が経ち、アメリカの車のメーカーは日本車にはデザインを除いて対抗することができないと悟ってしまった。

 同じことが飛行機やその他今アメリカが技術的に優位にある製品にも及ぶだろう。ホンダはもう旅客機の製造を始めている。他の会社も追随するだろう。そうするとさぞかし燃費が良くて性能に優れている日本の飛行機がアメリカやフランスの飛行機の輸入が激減させることは目に見えている。

 いくらアメリカが農業大国としても飛行機の値段と農産物の値段には大きな差がある。日本はアメリカの農産物を輸入しても金額的には追いつかない。食料を全てアメリカ製にするわけにもいかないし、牛肉なども日本の物の方の品質が高い。

 今日本の物品の品質が世界の各国と比較して低いのは何があるだろうか。医薬品はそうだろう。ケミカル製品、書籍、その他発明的な観点が絡む製品のみだ。安倍首相はどうもそんなことを知っているようにも思える。

 だから規制緩和を各国に持ち掛け、競争を自由にさせる努力をしているのではないか。だが彼は全ての国に友好的だ。友好的に接しられると無理難題は押し付け難い。さあトランプはどうする。飛行機の製造を止めさせるか。それはもしかしたら可能かも知れない。だが兵器はどうする。優秀な兵器を保持しないと暴力的な国力を保つことができない。

 だから兵器に関してアメリカは日本と共同開発をしようと呼び掛けている。だが日本の企業が独自に開発してしまえばどうなるのか。日本のメーカーが作った新鋭のステルス型戦闘機は価格が20%安く、性能が20%良い。さあアメリカどうする。日本に助けて貰うのか。

 もう一つの問題は更に大きい。それは国際巨大金融資本だ。数社で世界の富の70%ほども保持している。アメリカの前大統領はこの金融資本の手下だった。だから戦争を防止せず、却って戦争をするように仕向けた理由は自分の親分が兵器を買う金を融資して大きく稼いだ。戦争ビジネスは利益が大きい。オバマはロックフェラーから奨学金を受け、大統領になるにも支援してもらっていたから、要求を拒めなかった。結果中国の台頭を許し、北朝鮮やイランの核開発を止めることができなかった。

 トランプは自身が豊富な資金を持っているのだ、大統領になるのにそんな金融資本の援助を受けることはしなかった。金融資本が有する金は寝ているものが多く、世界経済の足を引っ張る。

 寝ている金を有効利用すれば裕福でないアメリカ白人の中間層を経済的に豊かにする。だから彼の政策はこれらの階層の人の支持を受けている。この階層の人口は多く、トランプは再選されるだろう。

 中国はやがて経済的に行き詰まる。北朝鮮はアメリカの言いなりになるか、大規模な軍事攻撃を受ける。あるいは金正恩は暗殺され、韓国、北朝鮮はいずれアメリカの傘下に入る。

 ロシアはまた軍備を拡大させ始めた。だがプーチンは知っているだろうが、アメリカと軍拡をし過ぎて経済が行き詰まり、ソ連は崩壊したのだ。大国同士の暑い戦争は第二次世界大戦が最後だろう。

 それより経済戦争をするとメリットが大きい。中国共産党が壊滅したら、民主国家になった中国は多くの投資を受け入れ、一大経済市場になる。それがトランプの目論で、今やその路は半ばまで到達した。

 中国、ロシア、イランは経済封鎖をすれば簡単だ。だが日本はどうか。日本は暖簾作戦を敷いている。アメリカが要求すれば受けるが、その裏で更に利益を得ようとしている。それが何かまではトランプは知らない。

 巨大金融資本を縮小させようとするとトランプ自身が経済封鎖を受けるのではないか。この二つの問題の解決はホットな問題より相当難しい。獅子身中の虫は敵より怖い。

酒巻 修平

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