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今日の言葉
イソップ寓話より引用
65)旅人と熊
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
二人の友だちが一緒に旅をしていた。熊が現れたので、一人はさっさと木によじ登り、そこに隠れていたが、もう一人は捕まりそうになって、地面に伏して死んだふりをしていた。 熊はこの男に鼻面を近づけて嗅ぎまわっていたが、男は、この動物は死体には触れないと聞いていたので、じっと息を殺していた。 熊が去り、木から下りてきた男が、熊は耳もとで何とささやいたのか、と尋ねるので、男が言うには、「危難に際して側にいてくれない友人とは、今後一緒に旅をするな、だって」 災いが真の友人を試す、ということをこの話は説き明かしている。
本当の友人とは
子どもの頃、「友達100人できるかな~」という歌があり、その影響で友達は多ければ多いほど良いという思いが心のどこかに残っています。
しかし、本当の友人とは数が多いものではないと思います。
本当の友人とは何か。
一つは、イソップ寓話にも出てくるような、困難や試練の時でも変わらずに接してくれる人。
もう一つは、素の自分を受け入れてくれる友人です。
私たちは会社の社員、家族、父親、母親、近所の人、同じマンションの住人など、さまざまな立場で生きています。それぞれの立場に応じた人間関係があります。
それらの人間関係はその立場にあることで関係があるのであり、その立場から離れれば自然と消えることも多いです。例えば、会社を辞めれば、会社関連の人付き合いは自然と減っていきます。
しかし、自分の立場が変わっても、いつものように接してくれるのが本当の友人です。
友達が100人いるよりも、数人の本当の友人がいればそれで十分だと感じます。
イソップ寓話集 の「旅人と熊」を読んで、そんなことを感じました。
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