物は何故なくなるか

 最も大切な預金通帳などはきっちり管理してなくなる確率は低いのですが、ちょっとした記念品、読もうと置いておいた本、普段あまり使わないセロテープなどなくなることがあって困ることがあります。

 でも中には保管している物を失くさない人もいるのは事実です。この違いはどこからくるのでしょうか。

 昭和の終わりころに大量の銅剣が島根県で見つかったことがあります。これも誰かが失くしたものだったに違いありません。

 失くすということは脳がその保管場所を記憶していないということです。一昔前冝保愛子というインチキ占い師がテレビで講演して、「貴方の失くしたものは上の方にある」と予想しました。

 結果何十万人の人からテレビ局に電話が掛かってきて、亡くなったものが見つかったと感謝されたそうです。

 その番組の視聴率は何%か知りませんが、相当多くの人が視聴していたでしょう。そのうちの数%かの人が失くしたものを見つけたのですが、これは当たり前で何も超能力を冝保愛子が持っていたからではありません。

 人は使ったものをつい上の方に置いておいてそのままに放置する確率が高いのです。

 それも目の上より高いところに置くと、普段見つかる確率はとても低くなります。それに人は探すところが決まっていて、予想もしないところは探さないものです。

 という訳で冝保愛子は超能力を持っているというインチキを巧みにやってのけたのです。大体超能力というのはどういうことでしょうか。

 私は昔ある宗教団体に入信を勧誘された際「うちの一番上の人は石を念力で上げる」と言われたことがあります。

 どういうインチキをするのか興味を持って行ったのですが、家にあった石を持参しました。小さい石だったので、超能力がある人なら上げるのは簡単な重量しかありません。

 それでその上の人の所に行ったところ色々お話があり(荒唐無稽なことばかり)

いよいよ私が「石を上げるところを見せて欲しい」と頼んだところそんなことには反応せずまた荒唐無稽な話しをし始めました。

 ここが大切なところで相手の言うことに反応してはならないのです。あくまで自分の要求や質問を繰り返すことです。何故なら質問には答えないし、約束されたことを要求するのは当然だからです。

 そこで私は「早く石を念力で上げて下さい」と言う、相手は「神と言うのは偉大なもので」とか石とは関係のないことを繰り返すのです。私は「そんなことは聞いていない。石を念力で上げて下さいよ」と繰り返します。

 もちろん石を念力などでは上げることはできません。重力の法則に反するからで、もしニュートンが生きていて我々の会話を聞いていたら大笑いするでしょう。

 結局「石を念力で上げる超能力など持っていないじゃないか。このインチキ野郎」といってそこを辞去しました。それからその信仰宗教の勧誘はなくなったのは当然です。

 インチキというのはこのようなもので前述の冝保愛子も同じくインチキです。しかしもう少し高等な技を使用します。

 彼女は超能力でなくなった物の在処を言い当てた訳ではありません。確率的に物を目よりも上に置くと忘れる可能性が高いということを利用したのです。

 さてどうして物はなくなるのか。実は簡単です。物の置き場所を移動させるからです。最初の置き場所は脳に記憶されることが多く、それを移動すると新しい置き場が記憶され難いからです。

 物を失くすのが嫌なら最初に置く場所をきっちりと決めて、そこから移動させないことです。もしどうしても移動させたいのなら、移動場所を紙にでも書いておくことです。

 本を人に貸すとまず帰ってきません。貸すのも物の移動の一種ですから、貸した相手の名前をメモしておいておくか、デスクトップにでも保管しておけば良いでしょう。

 但し島根(鳥取だったかも知れません)で発見された多数の銅剣は事情がちょっと違うかも知れません。

 当時は武器の保管係がいてその人が急に死亡して後任者に教えていなかったとも考えられます。

 そのころは大切なことは口伝で伝えていて、その機会がなかったのかも知れません。忘れないためには自信がなければ保管場所を記録しておけば良いでしょう。

酒巻 修平

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