目次
今日の言葉
イソップ寓話より引用
15)狐と葡萄
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
腹をすかせた狐君、支柱から垂れ下がる葡萄の房を見て、取ってやろうと思ったが、うまく届かない。立ち去りぎわに、独り言、「まだ熟れてない」このように人間の場合でも、力不足で出来ないのに、時のせいにする人がいるものだ。
自己正当化をしていても何も変らない
これは人生でもよくあることですね。
葡萄が取れないと「まだ熟れていない」と時間のせいにし、自分の能力不足を正当化しようとします。
イソップ寓話はここで終わりますが、この後狐は葡萄を見るたびに「どうせまだ熟れていない」と言い訳を続けるでしょう。
物事がうまくいかなかったとき、その状況をどう捉え、どう考えるかで、その後の世界観が変わってきます。
「どうすれば、あの葡萄に届くか?」と考えれば、周囲に落ちている木に気づくかもしれません。
「協力できる人はいないか?」と考えれば、誰かに助けを求めることができるかもしれません。
「他にお腹を満たす方法は何か?」と考えれば、他の食べ物を見つけることができるかもしれません。
人間は言語とイメージで思考します。
思考を広げるためには、自分自身に対して新しいイメージや問いを投げかけることで、見えなかったものが見えるようになり、新しいアイディアが浮かぶことがあります。
逆に「まだ熟れていない」と時間のせいにしたり、「高い所にある葡萄が悪い」と他人のせいにしたりすると、その瞬間は楽になるかもしれません。
しかし、狐の世界観はいつまでたっても狭いままで、葡萄を見るたびに「まだ熟れていない」と言い訳を続けなければなりません。
その原因は、高いところに実る葡萄にあるのか、自分の弱さを認められないことにあるのか、どちらでしょうか。
「狐と葡萄」のイソップ寓話を読んで、そんなことを感じました。
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