世界には二つの憲法らしいものがある

 カルロスゴーンという薄汚い男が保釈中に関わらず不法にレバノンに出獄した。明らかに日本の法律に違反した。

 それは明らかだがレバノン政府は彼を受け入れ現在のところ日本に引き渡す意思はないようだ。

 これに対して日本は引き渡し交渉をこれからやっていくだろう。日本はレバノンに経済的援助をしている。だから日本には恩恵があるはずだ。

 それにも関わらずというか、やっぱりというか、今のところこの犯罪者を日本に引き渡す意思はなさそうだ。

 レバノンは図々しくもこの問題と国家間の関係は別に考えたいと申し入れている。犯罪はその国の法律で処断されるが当然なのに、そんな当たり前のことを無視する。

 レバノンは国家の威信とゴーンというレバノン生まれの人物のいわれなき保護の両方を得ようとしているのだ。

 これに対して、日本はどうするのだろうか。予想される結末は結局日本が諦めるということだ。

 よど号で北朝鮮に違法に出獄した事件とは違い、レバノンと日本は国交があり、一応友好国だ。

 それがそんなことを言う。日本は世界から相当無視されていると言わざるを得ない。

 これがアメリカだったらどうするだろうか。多分経済的に報復するだろうし、あるいはゴーンを奪還することに武力を講じることも充分考えられる。

 日本は世界の大多数から良い国と言われているのではないか。でもこれは孫がおじいちゃんを好きなのと同じ視点で見ているのではないか。

 おじいちゃんは孫が悪いことをしても叱らない。ただただ優しくするだけで時には金銭を与え、両親の教育を台無しにするのはおじいちゃん、おばあちゃんだ。

 これまでの日本政府の対応を見ているとまるでおじいちゃんだ。韓国との問題もいまだ解決できない。

 これは日本が敗戦したこととは無関係ではない。だが戦争終結から70年以上も経過した。もうそんな過去とは決別すべきだ。

 なにも戦争をしろ、レバノンを攻撃しろと言っているのではない。日本の刑法を破った人物を引き渡さない国には協力はできない。

 日本からの援助を中止する。友好国アメリカに頼んでアメリカからの援助も辞めてもらう。

 一国の政府がただ一人の犯罪者のために自国の経済を危うくする政策を取るだろうか。そんなことはしないのが常識だ。

 だがここに問題がある。アメリカがレバノンに経済制裁を行うとレバノンは中国、ロシアといった独裁国の方に靡くだろう。

 今アメリカは独裁国家と冷たい戦争を繰り広げている。トランプが大統領に再選されれば、小康状態の米中関係は新たな局面を見せると考えられる。

 そんな時にアメリカは日本に協力してゴーンの引き渡しを要求するようなことをするだろうか。

 世界は民主国家と独裁国家が明示や暗示する法律の二つが併存する。それぞれに言い分があり、日本は前者側に立っている。

 一か国でも逆側に立たれると将棋と同様、その分だけ不利な戦いが展開されていくだろう。

 いずれにしても日本は今までのようなふやけた対応をせず、きっぱりとして、日本のあるべき姿を全世界に示さなければならない。

 そういう意味でこの事件は政治家や官僚の度量、能力を試す良い機会だし、日本が経済だけではなく、意見を世界にもたらす国に成長するチャンスだ。

酒巻 修平

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