今日の言葉
二宮翁夜話より引用
143)高利をむさぼらなぬだけで繁栄する
翁のことばに、商業が繁栄して大商人になるのは、高利をむさぼらずに、安価に売るからだ。高利をむさぼらないため、国ちゅうの買手が集まってくるのは当然のことだが、売手もやはりここに集まるのはおもしろいことだ。買うことと売ることとの間に立って、高く買って安く売るのは、できることではない。だから安く売る所は買いかたも安いはずだ。その安く買う所に売手が集まるというのは実におもしろい。これはすべて、売手・買手双方に対して高利をむさぼらないからそうなるのだ。高利をむさぼらないだけで、買手も売手もどちらも集まって、次第に富ができる、これまたおもしろい。商人が高利をむさぼらないだけでさえ、こういうことになる。いわんや、わが方法は無利息なのだ。実に尊ぶべきものではない か。
【引用 二宮翁夜話(上) 福住正兄:原著 佐々井典比古:訳注】
高利をむさぼらない
今でも過払い金請求のCMを頻繁に見かけます。
過払い金とは、払い過ぎた利息のことを指します。
通常、お金を借りる際の金利は「利息制限法」により、金額に応じて15~20%と定められています。
しかし、過去には「出資法」の上限金利29.2%までが罰せられないという時期があり、その時期にカード会社は「出資法」の上限金利で利息を取っていたのです。
その後、最高裁は金利20%以上は違法と判断したことで、それが過払い金請求のCMのはじまりとなったようです。
その判決までは、カード会社が違法な高利を取っていたということです。
上記以外にも、金利が高い商品は多いと思います。
結局のところ、お金がないから借金をしているのに、そこにさらに高い金利を支払うという状況は不合理です。
今も昔も、自分の財力に合ったものを購入することが大切だと感じます。
二宮金次郎の夜話143段「高利をむさぼらなぬだけで繁栄する」を読んで、そんなことを感じました。