今日の言葉
イソップ寓話より引用
451)羊の皮を着た狼
人の褌(ふんどし)で相撲をとるのは危険である。 ある時狼が、たらふく餌にありつくためには、姿から入って本性を変えるのがよいと考え、羊の皮を被ると、まんまと羊飼も欺いて、羊の群にまじって草を食んでいた。しかし夜になると、狼も羊小屋に一緒に押しこめられ、入口には柵がはめられ、小屋まわりがすっかり固められた。羊飼は晩飯にしたいと思い、包丁で狼を殺した。このように、借り物の衣裳でふるまう者は命を失うことがよくあるし、それが大惨事の遠因にもなるのだ。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
狼の皮を被った羊
以前、私も参加していたプロジェクトに新しいプロジェクトリーダーが就任することになった。
就任するリーダーの肩書きや経歴、保有資格がとても立派で、メンバーはチームや仕事をまとめてくれると期待をした。
リーダー就任後、1週間ほど経過してもリーダーとしての存在感が見えてこない。
3週間もすれば、チーム内が少しずつ崩れていき、1ヶ月すればチームの問題は山積みになった。
多くのメンバーも「このリーダー本当に大丈夫か?」と思い始めた。
そこで、数人のメンバーでリーダーに「リーダーとしての問題を解決」を依頼した。
しかし、そのリーダーは「問題が起きるのは君たちが無能のせいだ。だから、君たちが解決しなさい」と言い放った。
その人は肩書きや経歴立派だったが、リーダーとしは無能だった。
きっと、あのリーダーは、肩書き・経歴という狼の皮を被った羊だったのだと思う。
その後、プロジェクトは炎上し客先にも迷惑がかかるようになったことで、彼はプロジェクトリーダーから外されました。
いまどうされているかな~、きっと今でも狼の皮を被っているんだろうな~
イソップ寓話集 の「羊の皮を着た狼」を読んで、そんなことを感じました。