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今日の言葉
イソップ寓話より引用
445)快と苦
人々が快と呼んでいるものは、何ともはや奇妙なもののようだ。 正反対のものと思える苦とも、実に不思議な関係にある。この二つは決して一緒に人間の所にやって来ようとしないのだが、もし人が一方を追いかけて捕まえると、必ずといってよいくらい、もう一方をも捕まえなければならぬ。まるで二つでありながら一つの頭で結びつけられているようなのだ。もしイソップがこれに気づいていたら、恐らくこんな寓話を作っていただろう。 快と苦が争っているのを、神様が仲直りさせたいと思ったが、うまくいかないので、両者の頭を一つに結びつけた。このため、一方が誰かの所へやって来ると、もう一方も必ず後から随いて来る、と。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
快と苦はセットでやってくる
イソップ寓話は約2500年前に書かれた物語です。
当時の人々も、快と苦は切っても切り離せない関係だと考えていたようです。
現代を生きる私たちも同じで、人生には楽しいことと苦しいことが共存しています。
この二つは不可分のセットなのです。
そのため、重要なのは「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」という摂理をしっかり理解することです。
苦しいときは「これが終われば楽になる」という希望を持ち、楽なときは次に訪れる困難に備えて慎重に行動することを心がけましょう。
このように意識することで、快と苦の振れ幅を小さくし、心に大きなストレスをかけずに済みます。
逆に、酒や薬物で過度に快楽を求めると、その反動として必ず大きな苦しみが訪れます。
この摂理を理解しながら、小さな喜びと小さな苦しみを味わっていくことが、人生の秘訣のように思います。
イソップ寓話集 の「快と苦 」を読んで、そんなことを感じました。
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