目次
今日の言葉
イソップ寓話より引用
356)羊と犬
羊が羊飼に向かってこんなことを言った。 「あなたは私たちを散髪して、刈った毛を自分のものにする。搾ったミルクをチーズに固めるのも毎度のことだし、私たちの子供があなたの群を豊かにします。一方、私たちには何のおまけもなく、地面から毟る餌でおしまいだ。山にふんだんに生えている、と言うのですか。露で濡れそぼった貧相な草だけだ。それなのに、私たちの中にいるこの犬には、ご自分と同じご馳走をあてがって、養っておられる」犬がこれを聞いて言うには、「もし僕が側について、君たちの間をうろうろしてやらなかったら、君たちは思う存分草を食べられないだろう。僕は走り回って、強盗の逃げるのや追いすがる狼や、何もかもを防いでいるのだ」
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
他人に求める前に自分を観察する
誰にでも、時として羊のように考えることがあるでしょう。
例えば、自分は仕事を頑張っているとき、家族や子どもがのんびりしている様子を見ると、つい苛立ちを覚えるものです。
しかし、家族や子どもが健康でいるからこそ、自分が仕事に集中できるという側面もあるのです。
私たちは被害者意識を抱くと、ついつい周囲の人々に何かを求めてしまいがちです。
ですが、その人々が今のままでいるからこそ、現在の自分の環境が維持できているのかもしれません。
他人に何かを求めたくなったときこそ、自分の置かれている状況を見つめ直すことが大切かもしれません。
イソップ寓話集の「羊と犬」を読んで、私はこのような思いを抱きました。
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