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本能には逆らえない

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

351)仔牛と鹿
いくら図体が大きく頑強そうに見えても、生まれつき臆病な者は、言葉で励ましても力づけはできない、ということ。 仔牛が鹿に向かって、「君は犬よりも体が大きいし、足の速さでも勝っている。おまけに防御の角まである。なのにどうしてそんなに犬を怖がるのだ」と尋ねると、鹿の言うには、 「たしかに全部揃ってる。だけど犬の吠えるのを聞いたら、分別がかき曇り、頭の中は逃げることで一杯になるのだ」
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

本能には逆らえない

仔牛からすれば、鹿が犬を怖がることが理解できないのでしょう。

しかし、鹿自身も犬を恐れる理由はわからないはずです。ただ怖いという一心なのでしょう。

この寓話は鹿を「生まれつき臆病な者」と表現していますが、鹿が犬を怖がるのは本能だと考えられます。

人間だって、体が大きく思考力もあるのに、ハチや蛇を怖がります。

それは、理屈ではなく本能的に恐れを感じるようになっているからです。

このように本能的に拒絶するものを、勇気や励ましで解決しようとすること自体に問題があるように感じます。

動物も人間も本能には逆らえないのですから。

イソップ寓話集 の「仔牛と鹿」を読んで、そんなことを感じました。

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