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今日の言葉
イソップ寓話より引用
198)踏まれた蛇とゼウス
大勢の人に踏みつけられる蛇が、そのことをゼウスに訴えたところ、ゼウスの言うには、 「最初にお前を踏んだ人間を咬んでおけば、二人目は踏む気にはならなかったろうに」 最初に踏む者に抵抗しておくと、その他の者に恐れられる、ということをこの話は明らかにしている。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
時には戦うことも必要
寓話の蛇は、踏みつけられても人に噛みつかず、自分が我慢することを選ぶ心優しい持ち主だと思います。
しかし、我慢の限界が来て心情をゼウス(神)に相談したら、「最初に噛んで抵抗すべきだった」と指摘されてしまいます。
人間社会でも同じことがありますね。
この寓話は2つのことを教えています。
1つは、人から踏みつけられるときに「抵抗する」ことの重要性。
もう1つは、踏みつけるような人を恐れさせることで、その行動を抑止できるということ。
私たち人間が蛇を恐れるのは「噛まれる」リスクを知っているからです。だから蛇を見かけたら避ける行動をとります。
最近は、パワハラやカスタマーハラスメント、弱いものいじめなど、有利な立場を利用して他者を攻撃する人が増えています。
攻撃を受ける側は立場が弱いため、その攻撃をそのまま受け入れてしまうことがあります。
しかし、その攻撃が道理に合っていないのであれば、時には反撃することも大切だと感じます。(反撃とは、暴力によるものではなく、理性的かつ建設的な方法による反撃です。)
反撃をして、攻撃者に心地よい感情を抱かせないことが重要だと感じます。
なぜならば、攻撃者は、攻撃が目的ではなく、攻撃することで得られる優越感が欲しいだけだからです。
イソップ寓話集の「踏まれた蛇とゼウス」を読んで、そんなことを感じました。
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