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今日の言葉
イソップ寓話より引用
133)肉を運ぶ犬
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
犬が肉をくわえて川を渡っていた。水に写る自分の影を見て、てっきり別の犬がもっと大きな肉をえているのだと思って、自分のを捨て、相手のを奪ってやろうと跳びかかったが、両方を失っただけだった。一方は、元々ないので届くわけがなく、他方は、川に流されて行ったのだ。 欲どうしい人に、この話はぴったりだ。
今あるものを知り、満足する
なぜ、肉をくわえた犬は、水面に映る別の犬を見て、奪ってやろうと思ったのでしょうか。
もし、今くわえている肉に満足していれば、わざわざ他の犬の肉を奪おうとは思わなかったはずです。
きっと、犬は最初にくわえていた肉に満足していなかったのでしょう。
だから、もっと良い肉を求めた結果、水面に映っているのが自分であることに気づかず、結果的には肉そのものを見失ってしまったのです。
自分が映った水面は、今の時代であればSNSに当てはめられると思います。
SNSの水面には、素敵な写真やうらやましく感じるような写真、楽しそうな写真が映し出されています。
そんなSNSの水面を見て、「私も素敵な写真をあげたい、他人が羨むような楽しいことをしたい」と思い、無理して映えることばかりをしていると、最後は自分を見失ってしまうのではないでしょうか。
「一方は元々ないので届くわけがなく」 SNSの水面に映し出される写真は、元々自分の周りにあるものではありません。映える写真を見て羨むくらいなら、今自分の身近にあるものを知り、今あるものに満足することで、失う前に気づけることが多いと思います。
イソップ寓話集の「肉を運ぶ犬」を読んで、そんなことを感じました。
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