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人の評価

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

95)男と悪妻
何彼につけてむつかしすぎる性分の妻をもった男が、妻は実家の人たちに対しても同じように振るまうのか、知りたくなった。そこで、もっともらしい口実を設けて、妻を里帰りさせた。 何日かして戻って来た妻に、家の人たちからどんな風に迎えられたか、と尋ねたところ、妻は、「牛飼と羊飼ったら、わたしを睨むのよ」と答える。それを聞いて男が言うには、 「なあお前、朝早く羊を追って出て夜遅く帰る人たちに憎まれたくらいだから、お前が一日中顔を合わせていた人たちのことは、推して知るべしだな」 このように、しばしば小事から大事が、明らかなことから不明なことが、知られるものだ。

【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

人の評価

人の評価は関係性や立場上の評価と、その人自身の評価が異なることがある。

人間関係がこじれたときに、その人自身を見極めたくなるものです。

男が妻を実家に帰したのも、妻との関係性が難しいのか、それとも妻自身が難しいのかを知りたかった。

そして、実家に帰った妻は牛飼いと羊飼いから「睨まれた」と聞いて、妻自身が問題なのだと理解した。

それと同時に「私を睨むのよ」の言葉で、妻は自分に問題があることにすら気づいていないこともわかった。

このとき男はどんな気持ちだったのだろうか。

問題は自分ではなく妻にあることがわかって安心したのだろうか。

それとも、これからの妻との関係性に絶望したのだろうか。

こういう人間関係はよくあることです。

人間関係がこじれるとき、立場や関係性でこじれているのか、それともその人自身の問題でこじれているのかを見極める必要がある。

立場や関係性でこじれている場合は、お互いに相手の立場に立って考えたりすれば、やがては解決先が見えてくると思う。

しかし、その人自身でこじれている場合は、早々にその人と距離を置くことが得策。

なぜなら、悪妻のように自分がこじらせていることにも気づいていないことがほとんどだから。

イソップ寓話集 の「男と悪妻」を読んで、そんなことを感じました。

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