目次
今日の言葉
イソップ寓話より引用
76) 鹿と洞穴のライオン
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
鹿が猟師を逃れ、ライオンのいる洞穴の前までやって来た。そこに隠れようと入って行ったが、ライオンに捕まり、殺されようとして言うには、 「何て運が悪いのだ、人間を逃れたのに獣に身を委ねてしまったとは」 このように人間の場合でも、小さな危険を怖れて大きな災いに飛びこむ者がままある。
不安から逃げ出さないこと
この寓話の「小さな危険を恐れて、大きな災いに飛び込む」ことはよくあることだと思います。
例えば、会社の人間関係で悩んで仕事を辞めたとします。辞めたことで社内の人間関係の悩みからは解放されます。
しかし、次の仕事はどうするのか、その職場での人間関係は大丈夫なのかという悩みは残ります。
これまでの人生経験から考えると、単純に「人間関係が嫌だから」という理由だけで退職する人は、次の職場でも「人間関係に悩む」と思います。
逆に、人間関係で悩んだときに、不安から逃げ出さずに、何が原因で自分が悩んでいるのかを明確にすることができれば、次は自分の考えに合った会社への転職をするので、転職後もうまくいくものです。
要は、悩みや問題を抱え不安になったとき、ただ漠然と不安感情に任せて逃げ出すのではなく、自分の中にある問題や不安の本質を見極めた上で対応することが、実は一番のリスク回避になるのだと思います。
鹿が「自分の足の早さがあれば猟師から逃げ切れる」と自分の能力に気づければ、わざわざライオンがいる洞窟に逃げ込まなくてもよかった。
不安なときほど、不安から逃げ出さずに状況分析をした上で、対策を行うことが大切だと思います。
イソップ寓話集 の「鹿と洞穴のライオン」を読んで、そんなことを感じました。
オススメの本
created by Rinker
¥1,122
(2024/07/12 12:33:07時点 Amazon調べ-詳細)