目次
今日の言葉
イソップ寓話より引用
74)水辺の鹿
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
喉の渇いた鹿が泉にやって来た。飲み終り、水に映る自分の姿を見て、大きな角が見事に枝分かれしているので得意になったが、脚が細くて弱々しいのが悲しくてならぬ。思いにふけっているところヘライオンが現れ、追いかけて来た。鹿は一目散に逃げ出すと、ライオンを遠く引き離した。 さて、木のない平原を先にたって走る間はよかったが、木の生い茂る場所に来ると、角が枝にからまって走れなくなり、とうとう捕まってしまった。鹿は殺されるまぎわに独りごとして言うには、「ああ、情ない。裏切られると思っていたものに助けられ、一番頼りにしていたものに滅ぼされた」 このように、危難に際しては、疑われていた友が救いとなり、信認篤い友が裏切者となることがよくあるのだ。
長所も短所もある自分を理解しておく
鹿にとって、立派な角にプライドである一方で、立派な角に合わない細い足が欠点だった。
平和な時、鹿は水辺に自分の姿が映る度に、細い足を見ては嘆いたことでしょう。
しかし、ライオンに追われた非常時に、細い足だからこそ早く逃げられることに気づき、逆に、立派な角では戦えずに役に立たないことを知った。
自分がプライドに思っていこたとが役に立たず、欠点と思っていたことが役に立つことがあります。
大切なことは、プライドよりも、長所も短所もある自分を理解しておくことです。
自分の一部を否定したり、過度に誇ったりするのではなく、ありのままの自分を受け入れることで、困難な状況でも冷静に対処できるようになり、非常時に自分本来の力が出てくるのだと思います。
イソップ寓話集 の「水辺の鹿」を読んで、そんなことを感じました。
オススメの本
created by Rinker
¥1,122
(2024/07/12 12:33:07時点 Amazon調べ-詳細)