目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段9)静坐と観心
夜が更けて人声もなく物静かな時に、ただ独り静坐して自分の心を観照すると、はじめていろいろな邪念や妄想が消え去って、本来純粋清浄な真心が現われてくるのが自覚される。 人は常にこのような境地において、応用自在なはたらきができる。既に真心が現われても、完全に邪念や妄想を取り除き難いことを思えば、ここにおいて、また大いに徹塊の心が生じて、更に本心の究明に精進するのである。【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
邪念は消せない
瞑想やマインドフルネスなど、心を整え現在に集中させる実践が見直されています。
情報過多のストレス時代となり、心や自己を見失う人が増えたからこそ、自分の心を見つめ直そうとする人が増えてきているのだと思います。
これはとても良い傾向だと考えます。
瞑想やマインドフルネスの目的は、心を落ち着かせ自己を見つめることです。
自己を見つめる際、様々な邪念や妄想が浮かんできます。
しかし、それらの邪念を消そうとしないでください。その邪念の源も自分自身だからです。
邪念を生み出すのも自分であると受け入れていくことで、瞑想などを通じて心が真理に近づいていくのではないかと感じます。
『菜根譚』にも書かれているように、人間から邪心や妄想を完全に取り除くことは不可能でしょう。
一つの邪念を取り除けば、次の邪念が現れるのが心というものなのです。
だからこそ、定期的に瞑想などを行い、その日の邪念を認識していくこと。そのプロセスの中から真理を見出していくことが、人間の心との向き合い方だと個人的に思います。
菜根譚前段「静坐と観心」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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