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善と悪

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今日の言葉

イソップ寓話より引用

274)善と悪
善は急にはお目にかかれないが、悪には毎日見舞われるということ。 善は非力であったので、悪に追いたてられ、天に昇って行った。 そしてゼウスに、人間の所に留まっているにはどうしたらよいかと尋ねたところ、皆一緒になって人間を訪ねるのではなく、一人一人で行くように、との答であった。このため、悪は人間の近くにいて絶えず襲って来るが、善は天からゆっくりと降りて来るのだ。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

善と悪

「悪は人間の近くにいて絶えず襲って来るが、善は天からゆっくりと降りて来るのだ」という言葉に、深い共感を覚えます。

ニュースを見ていると、事件や事故などの悪い話ばかりが取り上げられ、善い話はほとんど聞こえてきません。

昔は「お天道様が見ているからね!」と、子どもに人として悪いことをしないよう諭したものです。

しかし最近は、法律上の善悪は守る人がいても、人としての善悪がわからなくなっているように感じます。

車に乗れば自分勝手な煽り運転、電車では若者が優先席に座り、高齢者が来ても譲ろうとしない。

これらの行為は法律上問題なくとも、人としてのマナーとしては望ましくないと考えます。

「陰徳を積む」という言葉があります。

陰徳とは、人に知られることなく良いことを重ねていくという意味です。

これに「因果応報」の考え方を加えれば、善いこともやがて自分に返ってくるということになります。

寓話では「善いことは、皆一緒になって人間を訪ねるのではなく、一人一人で行くように」との答えがありました。

もしかしたら、ゼウスは陰徳と因果応報のことを語っているのかもしれません。

イソップ寓話集の「善と悪」を読んで、このようなことを感じました。

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