目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段43) 静寂と枯淡の境界
日々多忙な人生を送っているが、無事平穏な時には、あたかも風波が静まっているようなものである。かかる心の安静な時にこそ、人生の真実の姿がわかるものである。また、美食美声に心が奪われて華美な生活をしている時には、本来の心すなわち本心・本性はわからないが、淡泊な物を味わい、静かな声を聞いて、素朴で安静な生活をしていると、おのずから自己を反省するようになって、本心・本性を識得することができる。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
人生の味わい
毎日、豪華な食事を楽しみ、仲間とにぎやかに過ごしていても、一人になるとふと虚無感に襲われることがある。
毎日が楽しいはずなのに、なぜ虚無感に襲われてしまうのだろうか。
それは「自分の心を見失いかけている」からだ。
きっと、心は問いかけているのだろう。「あなたは本当にこれでいいの?」と。
人間は一人一人が何らかの使命を持って生まれていると思う。
その使命を果たすために心があるのに、心の声を無視して毎日楽しく過ごしてしまうと、心を見失う。だから、一人になると虚無感に襲われてしまうのだと思う。
心の声はとても小さな声だ。
自分がその声を聞こうと意識しないと聞こえない。
心の声を聞くには、素朴で静かで質素な時間に、自分と向き合うことが大切だ。
人生の味わいとは、ご馳走や刺激的な遊びなどの外面的な楽しさにあるのではなく、シンプルな生活の中で自分と対話することにあるのだと思う。
菜根譚前段「静寂と枯淡の境界」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
created by Rinker
¥990
(2024/11/21 15:37:27時点 Amazon調べ-詳細)