目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段38)自己にうち勝つ
悪魔を降伏退散させるには、まず自己の心の魔を降伏しなければならない。この心の魔を降伏してしまえば、悪魔は、恐く退散して、もとの清明な本心・本性にかえる。また、横着でわがままなものを制御するには、まず自己の気性を制御しなければならない。気性を平静にすれば、外から来て我が心を侵害するものはなくなってしまう。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
善も悪も心が作り出している
人間の心には相反する二つの性質が存在している。
それは、良心に訴えかける「天使」と、邪心に訴えかける「悪魔」だ。
心の中の天使と悪魔は、常に対立する意見で論争し、最後には「あなたはどちらを選ぶの?」と自分自身に問いかけてくる。
「そっちで決めてくれよ」と天使と悪魔に委ねたくなるが、最終的な意思決定は自分自身に委ねられている。
天使の意見は「面倒で大変」なものが多く、悪魔の意見は「楽で簡単」なものが多い。
そのため、悪魔の意見を採用したくなるが、その誘惑に負けると、必ず後で厄介な事態に直面することになる。
一方、天使の意見を採用したいと思っても、それには多くの困難が伴うため、採用するには勇気が必要となる。
『菜根譚』の「自己に打ち勝つ」とは、この天使の声に耳を傾け、それを採用することだと私は考える。
『菜根譚』前段の「自己に打ち勝つ」を読んで、そのように感じた。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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