目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段37) 質朴な生き方
この世に処していくには、むしろ素朴で厳正な生き方を心がけるようにして、才智を鼻にかけて利口ぶらないのがよい。そして、正大の気を身に留めおいて、死ぬ時にそれを天地にかえすがよい。また、むしろ華美な生活をやめて、質素な生活に甘んじて一生を送るのがよい。そして、死後には一つの清廉潔白な名だけでも、この世に残しておくがよい。 聡明と紛華は人の欲するところであるが、これを退けて、渾と獪泊な人生を送り、生前は正気を存じ、死後は清名を永久に留めるべきであるとしている。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
シンプルに生きる
『菜根譚』の「菜根」という言葉は、「人が常に菜や根を噛みしめることができれば、百事成し遂げられる」という意味です。
つまり、実ではなく葉や根を噛みしめることで、何事も成し遂げられるというのです。
私たちは何かを成し遂げようとするとき、つい「実」を追い求めがちです。
しかし、『菜根譚』では葉や根を噛みしめてこそ「実」が得られると説いています。
確かに植物は、根を広げ、葉を茂らせてはじめて実るものです。
人生でも、実りを追い求めたり、実ったものを見せびらかすよりも、身近な物事に心を配ることで、心も生活もよりシンプルになるかもしれません。
菜根譚前段「質朴な生き方」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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