目次
今日の言葉
菜根譚より引用
前段20)何事もゆとりと控え目
何事でも少し余裕を残して控え目にする気持があれば、造物者も我を忌み嫌って禍をもたらすこともなく、鬼神も我を憎んで害を与えることもないであろう。これに反して、事業は必ず大いにやり通して満足することを求め、功名は必ず十分になしとげて満足することを求めるならば、造物者や鬼神が忌み嫌って、内部から変事が起きてこなければ、必ず外部からの心配事が生じてくることになる。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
忙しい時代だからこそ、ゆとりと控えめを大切にする
コンピュータやインターネットが登場したとき、これらを使うことで業務が効率化され、ゆとりをもって仕事ができるようになると言われていました。
あれから数十年が経ち、一人一人がパソコンやスマートフォンを持ち、インターネットに常時接続する時代となりました。リモートワークでどこでも仕事ができ、SNSで誰とでもつながれるようになりましたが、果たして私たちは心にゆとりをもって生活できているでしょうか。
パソコンやスマートフォンを通して流れてくる情報に翻弄され、刻々と変化する状況に対応し、目に見えない問題を必死に解決しても、それらはあっという間に過ぎ去り、息つく間もなく新たな課題が押し寄せてきます。
心にゆとりを持てず常に不安を感じ、その不安からさらに何かを求めてしまう。そのため、社会や人間関係がギスギスしてしまうのです。
忙しい時代だからこそ、何事にもゆとりを持ち、欲することを少し控えめにして、常に心の余裕と隙間を作っておくことが、現代社会には大切なのだと思います。
菜根譚前段「何事もゆとりと控え目」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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