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今日の言葉
菜根譚より引用
前段)22 静中に動あり
常に活動を好む者は、雲の間からもれる稲光や風にゆらぐ燈火のようなもので、たえず動いて止む処がない。これに反して、常に静寂を好む者は、冷えきった灰や枯れた立木のようなもので、全く生気もない死物である。前者は動に過ぎ後者は静に過ぎて、共に中正を得ていない。人は動かぬ雲や流れぬ水のような静的な境地の中においても、常に鳶天に飛び魚水に罹るような、生きいきとした活動的な気質を具えていなければならない。すなわち、静の中に動、動の中に静、この動静両面の修養があってこそ、はじめて真に本心を体得することができる修道者といえる。
【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】
信念に沿って動くこと
ビジネス書などで「とにかく行動することが大事」と書かれていることがよくあります。
確かに「行動すること」は重要ですが、心に信念がないまま行動しても何も変わりません。
一方で、心に信念はあっても理想や理屈ばかりを並べて動き出さなければ、同じく何も変わりません。
何かを変えたいと思って行動するときは、まず心に信念を持つことが大切です。
信念があれば進むべき道が見え、途中の選択肢も信念に沿って選べます。さらに、問題が発生しても動じずに対応できるのです。
この段では「静の中に動、動の中に静、この動静両面の修養があってこそ、はじめて真に本心を体得することができる」と説いています。
これは、心に静かな信念を持ちながら行動することが修養であり、その結果、本心に気づけるということだと解釈できます。
菜根譚前段「静中に動あり」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。
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