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自分と他人を比べる目的を考える

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今日の言葉

菜根譚より引用

前段54) 自他を比べて見る
人の境遇には、富・貴・寿・健康など総てが揃っている者もあるし、また揃っていない者もある。総てのものが揃って不足のない者は稀である。どうして自分だけに総てが揃って不足のないことを望めようか、望めない。また、自分の心情というものも、道理に合うこともあり、合わないこともある。どうして人にだけ道理に合うことを望めようか、望めない。それ故に、この自他の関係をよく比較して見て、つり合うようにしていくことは、世に処していく上で一つの便法である。

【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

自分と他人を比べる目的を考える

「他人との比較をやめて自分を信じていきましょう」という言葉をよく耳にします。

確かに、他人と比較して自分が落ち込んでしまうのであれば、比較をやめた方がよいでしょう。しかし、比較を完全にやめることで、成長の機会を逃す可能性もあります。

皆さんは、自分をどんな人と比較しますか?

例えば、大谷翔平選手と自分を比較するでしょうか。それとも、赤ちゃんと自分を比較するでしょうか。

おそらく、自分とかけ離れた人とは比較していないはずです。比較の対象となるのは、自分の周りにいる人で、何かの面で自分より少し上回っている人ではないでしょうか。

では、なぜそのような人と比較してしまうのでしょうか。

それは、自分も何かができるようになりたいと思っているからかもしれません。

言い換えれば、比較することで自分に足りないこと、望んでいることが見えてくるのです。

だから大切なのは、比較をやめることではなく、なぜ比較するのか、どういった点を比較対象としているのかを理解することです。

それがわかれば、自分が伸ばすべき部分が見えてくるからです。

菜根譚の「自他の関係をよく比較して見て、つり合うようにしていくことは、世に処していく上で一つの便法である」とは、このような意味なのだと思います。

菜根譚前段「自他を比べて見る 」を読んで、そう感じました。

オススメの本

※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。

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