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澄んだ水に魚はいない

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今日の言葉

菜根譚より引用

前段77) 澄んだ水に魚はいない 塵挨などのあるきたない土地は、地味が肥えているので、作物がよく生育するが、水が余 りに清く澄みきっていると、魚は棲息しないものである。君子もこの理を心得て、余り潔白 すぎずに、清濁併せ受け入れるだけのおおらかな度量がなければならない。余り潔白好き で、独り世俗に超然としているような節操を持つべきではない。小さな節操ではとても大事 を成すことはできない。 度量か狭小で独善に流れることを戒めている。

【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

澄んだ水に魚はいない

コロナ禍以降、殺菌や除菌製品を頻繁に目にするようになった。

確かに自然界には人体に有害な菌も存在する。

しかし、現代の日本社会において、本当に人体を脅かすような菌が蔓延しているのだろうか。

個人的には、手洗いやうがいなどの基本的な衛生対策は必要だと考えるが、過度な殺菌や除菌はむしろ逆効果ではないだろうか。

「水が余りに清く澄みきっていると、魚は棲息しない」—これはなぜか。それは、魚のエサとなる微生物や昆虫が存在しないからだ。

私たちの体も同様で、すべての菌を排除してしまうと、それらに対する耐性が育たず、結果として些細な菌にも容易に感染してしまう可能性がある。

この考え方は、実は多くの物事に通じる。どんな分野でも、完璧や潔癖を追求しすぎると、そこには何も育たなくなってしまったり、逆境に弱くなってしまうのではないだろうか。

菜根譚前段「澄んだ水に魚はいない」を読んで、そう感じました。

オススメの本

※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。

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