地球 - 神の隠れ家 1

100億年以上も前のことでした。神はふと宇宙というものを作ろう考えました。取り掛かったのは良いが、作るのに随分時間も掛かったし、力も使いました。だからそれから暫くは働きたくかなかったので、まだ太陽系は存在していていませんでした。

 やっと働く気になったのは宇宙を作ってから50億年以上も経ってからでした。あまり長時間さぼった神は焦って太陽作りに取り掛かったのです。でも太陽を作るのは宇宙を作るより簡単だったので、太陽の製作が終了して、すぐに地球の製作に取り掛かりました。

 でも神は思っているより面倒くさがりなので、一度作ったものの手直しなどしたくありません。だから太陽の役割を決めて、自動的にその役割を長時間果たすように考えました。コンピューターのプログラムを組むような気持ちだったのです。

 太陽をストーブにするのは良い考えだと思った神は太陽を丸くして、熱が360度全方向に行くようにしようと思いました。それで太陽全体を核融合炉という特殊なものを作り、熱を極めて長時間出すものを用意しました。

 そうしておいてから地球を太陽とはちょうど適当な距離に配置したのです。あまり遠いと寒いし、近すぎると暑すぎるからです。

 でも地球を作ってそのまま置いておくと落ちて行ってしまうので、引力と遠心力のバランスを取るようにしておきました。これはちょっと技術のいる仕事でしたが、何とかやり遂げました。

遠心力は遠くへ行こうとする力で、引力は近くに来る力と言うこともできます。地球の遠心力がプラスで引力がマイナスとすると、二つを足すと釣り合っている場合、重力が0になります。地球と太陽との距離は一定にしたので、この場合重力は0です。遠心力+引力=重力です。

 ところで神は地球にいて退屈しないように、地球を回しました。すると自分がいるところが太陽に向いているときは明るく、反対側にいるときは暗くなりました。太陽に向いているときを昼と言い、反対は夜と名付け、昼夜の一回を一日としたのです。

 神はまあ大体365日で太陽の回りを回るようにすると良いかと考えて、地球を配置したのですが、そう上手くはいきませんでした。後で正確に計ったところそれは365.24219日になっていました。一回転を一年と呼びました。

 後で人間という変な動物が湧いて来てカレンダーというものを作ったときに、一年を365日としてしまったので、一年と太陽の周りを回る時間の誤差が少し出ました。差は0.24219日しかありませんでしたが、4年くらい経つと1日くらいの誤差が出てしまいます。仕方がないので人間は4年に一度2月にもう1日付け加えて、うるう年と呼び始めたのです。

 でもそうすると一年は365.25日(0.25日x4年=1日)になり、ほんの少しですが、誤差が残ってしまいました。その誤差は0.25-0.24219=0.00781です。人間はこの誤差も何とかしようと考えた結果、400年で3日だけうるう年を止めれば大体の計算が合います(0.00781日x400年=3.124日)。

 でも全世界が統一的な規則にしないと分からなくなるので、西暦の上二桁が4で割れる年はうるう年、割れない年はうるう年ではないと決めました。だから2100年は4で割れてうるう年になる筈でしたが、上二桁の21が4で割り切れないので2100年はうるう年ではないのです。2400年は上二桁が4で割り切れるからうるう年で、2100年、2200年、2300年はうるう年ではありません。

 それでも極く小さな誤差ができて、最近の人間はうるう秒なるものを考案して、適宜調整をしています。

 宇宙は神の思い付きでできたので、どうしてできたと考えても答えは出てきません。神が作ったのは偶然で、偶然には方程式はありません。宇宙には絶対的な真実は存在しないのです。

 明日に続く

酒巻 修平

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