社長から見た社員 - 報告が上手い人

報告が上手な社員はまず仕事ができる人と考えていい。何しろ2時間くらいの顧客とのミーティングの結果を5分くらいでまとめて、重要な事項は話し、省略していいところは省く。その総合的な能力を持っている人だ。

 しかしこんな社員はあまり見たことがない。国語力がいるし、顧客に話させることもやらないと報告の内容が成立しない。ましてそれを書いて出せと言うと面倒がるからレポートなど出てこない。

 大銀行の融資担当の書いたレポートを見て、これじゃ我が社のことが上司に誤解されると思ったので手直しをしてあげた。我が社には長所も短所もあるだろう。我が社に融資をしたいのなら、さり気なく長所を並び立て、短所を差しさわりのないものにしなければならない。

 自分の会社の状況を説明するのも顧客に対する一種の報告と考えて良い。客が退屈しないように、手短にしかし重要なことは逃さず話さなければならない。

 何がなくても自分がどこかで聞いた有用なニュースを報告するのはその人の評価は上げる。ただ命令されたことだけをやるような社員は上司に目を掛けられない。

 命令された内容と言葉だけから判断して、報告が当を得ていなかったり、報告が全くない場合もある。

「あのトラブルは解決したが、客はその後その解決方法で満足したかどうか調べて欲しい」と頼む。調べるには少し時間が掛かる。でも一か月ほど経っても一向に報告が来ない。どうも変だ。こちらも仕事を抱えているし、聞いてみる。

その社員の言葉に私は唖然とした「調べましたよ」「それじゃどうして報告してくれないの」「報告して欲しいとは言われていませんでした」。この社員は調べて欲しいという言葉の中に報告して欲しいということが含まれていることが分からないらしい。

勿論適当な理由を付けて辞めてもらった。彼の仕事の内容から計算すると月給5万円ほどしか払えない。両者困るので、辞めてもらった次第だ。

こういうのもある。ある銀行の事務システムを調べて報告して欲しいと頼んだ。1時間ほどして報告が来たが、感ではその報告内容は正しくない。頼んだ人にそれで間違いないかと尋ねるともう一度調べますと言う。

この社員は素直で行動も迅速だ。ただ2回目の報告内容も論理的に考えて正しいと思えない。仕方なく私自身で銀行に問い合わせてみる。支店の担当者は少し私を待たせ、何らかの回答をした。そこで「絶対間違いありませんか」と意地悪く尋ねると、また待って下さいと今度は違う回答をする。

こんなことを数回繰り返すうち、この支店担当者では埒が開かないと本部に電話をする。担当者が出て来て同じ質問をすると、先ほどの支店の担当者と同じ答え。通常はここで矛を収めるのだが、そんなシステムを取れば銀行にトラブルが起こる。その解答は不正解だと判断した。

到頭その担当者では正解を見つけられなくて、責任者が出て来た。この人も駄目で、専門担当者に電話を代わった。そこでやっと正解を得たという次第だ。我が社の担当者の報告内容がおかしかったのは無理もない。銀行で知っている人はただ一人。その人に辿り着くまで、相当苦労する。

銀行のシステムは何度も変わる。その都度覚えなければならないので、銀行の担当者も大変だ。しかしここに問題がある。担当者はシステムを暗記しようとして、そのシステムがある理由を考えない。だから記憶ミスも発生しやすい。仕事は記憶を元にやるのもいいが、もう少し論理を考えなければならない。

地方公共団体から来る書面は読んだだけでは分からないことが多い。だから電話をする。一回の所要時間は30分から1時間。時給を2000円とすると一回の電話で経費は1000円~2000円掛かる。公共団体は経費節減に真剣ではない。しかしこんな文書を作る人は馘にすればいい。

酒巻 修平

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