17-2-22のニュース裏読み - 厳しい大学経営

申し訳ないが大学は真剣な経営努力をしているようには見えない。私が卒業した大学でも興味のある講座は一つもなかった。主任教授などは10年ほど前に作ったと思われるノートをただ読むだけだった。

 大体教師というのはゴルフで言うとレッスンプロである。実学は身に付いていないから、トーナメントプロには歯が立たない。勿論学問に身を賭している人もいだろう。しかしそんな少数の先生は教育の方法を知らない。

 話は変わるが、女子大学の関係者と話したことがあった。その人が関係している大学は所謂「お嬢さん学校」で裕福な家庭の子女が通うことで有名だった。しかしそこでも大学への入学者数は人口の減少に伴って減っている。

 そこで私はこう言った。「あなたの大学の卒業生は裕福な家庭の出身だと思われ、卒業後も少し鼻が高いのではないでしょうか。そうすると「そうなんですが、他にも我が校と競う大学があるので、経営はやはり厳しいのです」と言う。

 「それでは今後の経営戦略はどのようなものでしょうか」。それに対して彼曰く「なかなかいい作戦が思い浮かびません」「では女子高生にアンケートをしたら?」と私は言う。彼は考えている。

 大学が生き延びることだけを考えると「少し顰蹙を買う運営手法ではありますが、裕福なだけでなく、美人しか入学させないようにしたどうでしょうか。卒業生は老人になってもあの人はあの大学を卒業したのだから、若いときは美人だったのでしょうねと言われる。スチュワーデスという言葉は無くなったかどうか知りませんが、今でもスッチーと言って美人の代名詞になっているではありませんか」

 こんなアイデアは不謹慎かも知れないが、真剣に考えたらこの程度の案はいくらでも出てくるだろう。大学の経営陣は努力を怠って、役人の天下りを受け入れ少しでも多額の補助金を配分してもらうような姑息な手段に訴えている。

 人口が減少している現在、各企業は生き延びるために同業他社の仕事を盗まなくては生きて行けない。大学も例外ではない。経営努力なくしては生きていけない。大学数も必ず減少する。そうならないためにはいい商品としてのカリキュラムの向上を図らなくてはならない。

 独文科を卒業してもドイツ語は話せない。それでは独文科というのは何だろう。そんな授業は廃止して、いっそ美術の時間と称してプロのメークアップアーティストを講師に招き、女性の化粧法でも教えたらどうだろうか。あるいはモデルを教師にして、美しい歩き方、洋服を選ぶセンス、などを教える。そんなことは大学教育に馴染まないというのであれば、ただ原語の本を読むだけの授業は止めて、みっちりと基礎を叩き込み、せめて基礎的な会話くらいはできるようにすればどうだろう。

 あるいは経営学科ではケーススタディをみっちりとやる、実際経営に携わる中小企業の社長を講師に据えて、プロの経営者になれるくらいの経営戦術を教える。

 私が習った先生の中で、ただ一人今でも記憶に残っている方がいる。数学の先生で自分が新しい数学理論を発見したときの苦労談を語り、自分より早くその理論に到達した研究者がいないか心配したことなどを話し、生徒の共感を得ていた。その先生は高校の先生を辞め、広島の原子力研究所に行ってしまったが、生徒はそれを惜しみ、全員で色紙にサインをしたものだった。その先生に習った生徒は勉強の楽しみを教わり数学が好きになった。

 先生の仕事は生徒に勉強の意義、楽しさ、苦労、真剣さを教えながら実際の学問を授けるものだ。そんな先生はその大学にいるのか。有用な勉強を教えもしないで、補助金の獲得に汲々をする大学など、さっさと消滅して欲しい。

 学校教育は文化の中心をなす重要な社会制度である。真剣な努力をして、次代に有用な人間を育てる努力をしないと国は衰退するだろう。そんなことを無視して、補助金を与え、受取る制度など何故あるのだろう。もう少し真面目にものごとを考えないのか。

酒巻 修平

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