ふぐの毒で死なくするには

相変わらずふぐの毒で死ぬ人がいる。いつの年だったか、5人の中毒患者のうち3人は死なず、2人が死んだ。

 これには医師の無知も原因になっている。ふぐの毒のテトロドトキシンは、ふぐ自身が作り出しているものではない。それは食物連鎖でふぐが食べたものから生物的に濃縮されてできる。

だから適切に管理されて養殖されたものは毒を持たないし、天然のふぐの全てが毒を持っている訳でもない。現に私は大阪でふぐの肝臓を食べたことがある。毒を持たなかったからか、美味しくもなく、食べるほどでもなかった。

毒を持った肝臓を食べると最初は唇が痺れて来て、だんだんその痺れの範囲が広がってくる。そして呼吸機能も麻痺し、死に至る。気の毒に患者は呼吸ができなくなるけれど、死ぬ寸前まで意識がある。意識は痺れないからか。

調べてみても完全な解毒剤や解毒方法が見つからない。ところがこれがあるのだ。解毒はできなくても、死なない。

少し考えると回答はすぐに頭に浮かぶ。呼吸機能が麻痺して呼吸ができなくなるのであれば、人工心肺に入れば良いのだ。毒は人体内では3時間程度で消化されてしまうらしい。その間人工心肺に入っていれば自力ではないが、機械が呼吸機能や心臓を働かせ続ける。そして毒が消化されてしまえば、機械を外せばいい。

この事実はかなり昔になるが朝日新聞にも出ていた。無理してふぐの肝臓などを食べることもないと思うが、事故で毒を食べてしまった場合、最初にやることは人工心肺を持っている病院を探すことである。この方法は現在知っている人も多い。

ふぐの毒で死んだ人は病院に行ったのか、民間療法に効果がなかったのか、あるいは担ぎ込まれた病院の医師にその知識がなかったか、死ななくてもいいのにき気の毒だ。

八代目三津五郎の急死はふぐ中毒が原因で、三津五郎の名はふぐ中毒の代名詞のようになっている。彼が中毒に掛かったころには人工心肺というものが存在していなかったのか、調べたことはないが、不幸なことだった。

三津五郎は危険を承知の上で毒性の高い肝を実に四人前も食べた。三津五郎がいけなかったのか、免許を所持しながらふぐを調理した板前の包丁捌きがいけなかったのか、法廷で争われた。法廷では、「もう一皿、もう一皿」とせがむ三津五郎に板前が渋々料理を出したことが争点となった。法廷は「渋った」板前が調理を「しくじった」ことに変わりはないとして、業務上過失致死罪などで執行猶予付の禁固刑という有罪判決が下った。

 40肩、50肩も非常に辛く治しにくい病気だが、これにも治し方がある。いずれ触れる機会もあると思う。医師を選ぶときは広範囲の医学知識を持っているのも選択理由にしなければならない。

酒巻 修平

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