17-2-25のニュース裏読み - 東芝二部降格濃厚

 現在東京証券取引所の最上格の一部に上場されている東芝がセカンドクラスの二部に降格されるのが濃厚な状況に陥っているらしい。

 表面上はアメリカでの原子力発電設備に関わる失敗が東芝の経営状態を危機的状況に陥れたということだが、これはもっと根が深い。

 昔とは違い現在の最高責任者の一番の責務は、社会の変革に会社をいかに対応させていくかである。現在の東芝の最高責任者がそのことに真剣に目を向けなかったし、もっと以前より歴代の最高責任者がそんな責務を果たしていなかったのが、今回の失策を招いたと見る。焦ったのではないか。

 日本やその他の先進国には物が溢れ、人々はもう高価な家電などの物を買う興味を失くしているし、新たな発明がないことで今までなかったような物が提供されることもない。

 それでも新しい製品は年々紹介されて、それに対する購買はあるが、何しろ価格が低く、経済を動かせるほどの金額にはならない。

 家電などのように昔からある商品を製造するノウハウは全て公のものになり、品質の程度の差も少しはあるが、購買者の主な要求は価格にある。

 新興国である中国などは価格競争力においては先進国より数段勝る。先進国は人件費の安い新興国で生産して価格競争をするが、今や製品に対する顧客の要求はより安いという価格面から抜け出すことはできない。

 日本の他の大家電メーカーも同様な状態にあると思われ、それらのメーカーの経営状況も東芝と似たり寄ったりになっていると推察される。

 こんな現在の経済環境に対して、大企業の最高責任者は何を考え、何をしていたのか。彼らが入社当時求められていた最重要項目は立派な学歴であった。

そんな学歴を持った人が大企業において、従来のシステムの踏襲に遺漏のないような仕事をするように上層部から要求され、それに従った結果、彼らの思考する能力は薄れていった。

今まではそれで良かったし、古き良き時代を満喫できた。しかし時代は変わった。物が売れなくなった今、何を商品にすべきか、商品をどのように提供するか、新しいことを考える習慣も能力もない最高責任者の元で会社が運営された結果が東芝に見る状態である。

加えて個々の最高責任者はサラリーマンであり、自分が最高責任者の地位にいる間に会社の経営状態を悪化させてはならない。悪化させれば責任を問われるし、子会社への天下りもままならない。名誉にも傷が付く。

企業の業績が悪くならないように、決算書の改竄もするだろう。そして次の最高責任者にその状態を継承させる。そんなことが繰り返され、改竄が行き詰ると、やっと事件として公開される。

文化は継承するだけではなく、新しく創造することも必要だ。大学の入学試験では主に知識の多さが問われ、思考の幅広さや深さは二の次だった。立派な学歴を持つ人たちに過去求められたことは文化の継承だけだった。

そんな思考をしない人を最高責任者にした企業の理念が今危機に陥っている。もはや形をしたものが売れなくなり、無形のサービスの販売が主流となりつつある現在、新しいサービスをどのように構築し、提供するかを旧態依然とした企業は考えない。

更に考えると、新しい無形のサービスが無限に作り出され、商品になることに終わりはないのか。人が求める新しいことは尽きないのか。そんなことは夢だ。無形のサービスでもいつか新しい商品の提供は終わるだろう。

そのときに企業はまだ成長できるのだろうか。悲観的である。そうであればやがてくる世界経済の成長がないことも仮定した個々人と企業の在り方を今から研究することが求められる。

私はトランプ氏がそのような観点に立ってアメリカ経済の行く末をリードしてゆくのを期待していた。アメリカ経済が模範となれば、各国は追随すると思うからだ。

経済成長のない社会。そんな中では収入は伸びないだろう。しかしそんな状態でも人は楽しみを見つけ、幸せな生活を送ることは充分可能だ。いや、そのよう状態の方が今より、社会は良くなるのではないか。そんな幸せな社会を構築するのは人々の役目である。

酒巻 修平

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