社長と社員 - お局

ある会社にお局がいた。なんとなく部下のような(彼女は平社員)女性の上に君臨している。

 その会社の始業は10時で、部下が10時ちょっと前に出勤してくると、お客さんが10時から見えるのに、準備する時間がないと叱る。そこまでは許せる範囲の叱責かも知れない。

行き過ぎなのはそこからだ。軽く叱るくらいならまだいいが、延々と1時間も叱る。部下の女性は失神寸前だ。そんなことが続き、お局の上司が注意した。しかし上司がいないとまた始める。

女性には女性だけの社会が会社内部でも存在している。それはある程度許さなければならないが、そこには階級社会があると見なければならない。先に入社して女性が女性社会をコントロールする傾向にある。しかしここは会社だ。行き過ぎは許しては駄目だ。

ある日お局さんが会社に出てくると、部下の女性は誰も出勤してこない。2,3日したら6人全員の退職届が郵送されてきた。示し合わせていたのだろう。仕事ところではない。その日はお局一人で仕事をこなしたがお客さんに満足なサービスができる訳がない。

そんなことが、2,3回続いた。今度、その会社の機構が変わることになって、お局さんは退職してもらうことになったらしい。

お局は先に入社した人の中から選出される。仕事がある程度できて、年がかなり上。結婚していないから暇も多い。もし手下の女性が仕事になれて自分より仕事ができるようになると、もっといじめる。

制服がない会社ではお局は手下より給料も高く良い服を着ている。そんなことに給料の多くを使っているのだろう。趣味もない。そのように見分ける方法は外見上もあるが、やはり日ごろの言動を見て、それとなく調査をするのが見つける近道だ。

社員も感情を持った人だ。我が社でもお局になったら、絶対やめてもらうと常々宣言していたので、仕事ができる年配の人もお局にはならなかった。しかしこれには条件がある。

仕事ができる人は待遇が不当だと転職する。それでは会社が困るから、きっちりとした待遇をしなければならない。いい仕事をした人は大きな義務を果たしたのだから、大きな権利を自動的に取得する。これが人間社会だ。

これは女性の話だが、男性社員も同様だ。部下の仕事に厳しいのは仕方がない。しかし厳しすぎるのは感情が混じっていると思わなければならない。相手の感情を無視した仕事は良くないが、自分の感情は抑えなければならない。それが上に立つ人の義務だ。お局が目下の社員に仕事を教えるのなら、そのようなことも考えなければならない。

大会社ではそこまでなかなか目が届かないし、上司も人道的立場に立って、物を見ない。酒場で隣の席の話を漏れ聞くと、人事の話ばかり。上司も更に上司がいてトップは社長だ。大会社の社長も大体できが悪い。そんなことには関心がない。だから大会社で勤めるのはストレスが多い。

お局の問題は適切に処理すれば解決できる問題だ。しかし解決するのは容易ではない。酷い場合は辞めてもらうより仕方がない。少々仕事が停滞しても長い目でみれば、却って会社は良くなる。

大会社で給料を支払うのは会社であって、社長個人ではない。小会社も同様だが、そこは少し違う。社長はリスクを取り、失敗すれば路頭に迷うこともある。だから社員は社長から給料を貰っていると思っている。

大会社では誰も召使のような部下はいない筈なのに、そんな感じで部下を見ている。そんな人は転職しようにもできない。何が起こるか分からない現在、部下より上司の方が厳しいと思った方がいい。

酒巻 修平

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