私の体験談 - ニューギニア 2

ニューギニア滞在中に色々なことがあった。それは現地人に関することが多く私を驚かすものだった。

 事情は忘れたがどこかに冷蔵庫を設置することになった。冷蔵庫は小型なものでなく、普通サイズであるので、運搬するのは大変だ。

 道路はあるようなないようなけものみちに毛が生えた程度だったし、運搬する車もない。現地人が担いでいくことになった。

 距離は10kmもある。何人で担ぐのだろうかと心配したが、行く人間は2人。もう一人の現地人は鉄製の大きな歯車を運ぶことになっている。そちらも相当な重量がある。

 我々は3人で水筒を持ち弁当と4つの缶詰を持っている。缶詰はご褒美に現地人にあげるためだ。缶詰をもらえるというので、運んで行く志願者が多かったが、力が一番強い2人に決定したのだ。他の人は羨ましがっていた。

 私は10kmの道をそんな重量のあるものを担いで運べる筈がないと危惧したが、他の二人の日本人は経験があるのか、別段心配はしていなかった。

 途中2回ほど休んだ。休むと缶詰を一つずつ運搬作業員に上げた。二人はそれこそこんな幸せなことはない。こんな仕事ならいつでも受けたいと言っている。

とても美味しそうに缶詰の一つを食べた。もう一つは次の休みに取っておく。

 ところで彼らは変な英語を使う。それは[Pijin English]と言われるものだったが、何とか意味は我々に通じていた。

 缶詰を食べ終わった二人はまた100kg程度も重量があるにものをひょいと担いで、運び出した。

結局3時間くらいで運びきって、流石に疲れたような顔はしている。しかしまだ余裕が残っているようだった。

 他の二人の日本人に何も食べない現地人にどうしてそんな力と持久力があるのか聞いてみると、彼らも推測でしか分からないという。でも推測を聞き出すとそれは空気中の窒素と関係があるというのだ。

 窒素は不活性な物質で、体内に吸収されない。呼吸で肺に入ってもすぐに排出される筈だがと、更に問うと彼ら現地人は窒素を体のために使えるように進化していると言う。キャベツみたいな人たちだ。

 またある日のこと。召使いの一人が釘を踏んづけ怪我をした。見ると足の親指のところが抉れて指がちぎれそうになっている。大変だと思ったが、生憎薬はなかった。

 私はお金を持っていないので、他の日本人駐在員に買ってこようかと金をねだったが、「大丈夫だ。放っておけき」とすげない。

 仕方なく他の仕事をやりだしたが、気にはなる。そのうち夕刻になった。やはり気になってその現地人を捕まえ、足を見せろと言うと現地人は何故?と不思議そうな顔をする。でも無理矢理足を出させると、傷がない。

 足を間違ったのかと思いもう一方の足の裏を見た。しかしやっぱり傷がない。駐在員に聞くと「だから放っておけと言ってではないか。俺たちはここに長い。言っていることを聞け」と馬鹿にされた。

 傷は6時間ほどで完全に自己治癒していたのだ。このことといい、冷蔵庫の件といい、現地人は私を驚かす。

 昼食を皆で食べているときだ。召使は日本人とは違う他のテーブルで食事を摂る。私は相変わらず、バナナを食べているのだが、他の駐在員は普通の食事だ。まずそうだがバナナよりましだ。

 少しして召使の男女が食事中に席を立って5分ほどして帰ってきた。こんなことが時々あるので、理由を聞くとやっぱり放っておけと相手にしてくれない。知りたがりの私はなおも聞いた。

 答えは「彼らはセックスをしに行っただけだ」。これにも驚かされた。何もかもが驚きの連続だった。

明日に続く

酒巻 修平

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です